WEDGE REPORT

2015年10月14日

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ゴン川野 (ごん・かわの)

フリーランスライター

小学生より写真とオーディオをはじめ、高校では写真部部長として暗躍。コピーライターを経て雑誌ライターに転職。バブル期にオーディオ誌で荒稼ぎしてハイエンド機器を揃える。現在はアップル株値上がりで撮影スタジオ兼リスニングルームの新築を画策中。阿佐谷在住。合資会社GON代表。

 10月8日、日本国内ヘッドフォン販売台数6年連続No.1のオーディオテクニカが2016年に向けての新製品発表会をおこない、ヘッドフォン、イヤフォン合計9モデルの新製品を発表した。大画面に映し出されたヘッドフォン製品写真の下には金色に輝くハイレゾ対応機器のロゴが並んだ。

「ART MONITOR」シリーズでは4モデル中、3モデルがハイレゾ対応になった

 オーディオブーム再来の要と言われているハイレゾとは何か。一言でいえばCDよりも音がいいハイレゾリューショーン(高解像度)の音源を意味する。そもそもアナログレコードはレコード盤に刻まれた溝の深さと振幅によって音楽信号を記録していたため、録音できる周波数帯域に下限も上限もなかったのだが、CDが生まれた時、アナログ信号をデジタル化する必要が生まれた。そこで再生周波数帯域の上限を人間の耳に聞こえる限界である20kHzに決め、44.1kHz/16bitという規格が決定された。これによってCDは20kHz以上の高音が入っていないから、アナログの方が音がいいという論争がなされ、アナログ派とデジタル派の確執が生まれることになる。

 一部のオーディオマニアを除いてCDはその音質より、利便性によって評価され急速に一般家庭に普及、アナログレコードを駆逐した。利便性の追求はとどまるところを知らず、CDよりもコンパクトで扱いやすいMDが生まれ、「iPod」の登場により、音楽データはHDDに収納された。さらにケータイの着メロまで音質は劣化してしまったが、ポータブルミュージックプレーヤーとハイレゾ音源によって再び高音質を取り戻そうとしている。音楽を聴くためにリスニングルームを作ろうとしてた世代に替わって、PCを中心としたデスクトップミュージック世代、そして通勤通学時や出先でも音楽を楽しみたいポータブルオーディオ世代の台頭により、音楽環境も様変わりしている。ハイレゾデータはPCに収められ、ポータブルのハイレゾプレーヤーに転送される。デスクトップオーディオの主役はPCとUSB接続できるUSB/DACである。CDプレーヤーではハイレゾ音源が再生できないため、ハイレゾ対応DACはどうしても必要になる。

 ハイレゾ音源はどこで手に入れるのか、音楽配信サイト「e-onkyo music」などから購入してダウンロードするのが一般的である。最初はハイレゾに消極的だったソニーはスマホやハイレゾウォークマンなどのハードウエアのハイレゾ対応完成に合わせて音楽配信サイト「mora」でも大々的にハイレゾ音源の配信を開始した。あとはアップルが参入してくれれば世界的にもハイレゾ普及に拍車がかかるに違いない。ソニーは自社製品がハイレゾ対応であることをアピールするためにハイレゾのロゴマークを作成した。同社のハイレゾ基準は例えばスピーカー、ヘッドフォンであれば40kHz以上の再生周波数帯域を出力できること。それでは40kHz以下しか再生できないヘッドフォンではハイレゾの高音質が再生できないかと言えば、そんな事はない。

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