ファッションモデルShogoが続ける
震災ボランティア

「目に見える形で復興を手伝い続ける」


森本茂樹 (もりもと しげき)  スポーツライター

WEDGE REPORT

時間軸の長い視点で深く掘り下げて、世界の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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2011年3月11日の東日本大震災発生から、もうすぐで5年が経とうとしている。2016年度からは国の震災復興事業で終了するものや、新たに自治体に負担が生じるものがあるなど、5年を境に新たな局面を迎えようとしている。全国社会福祉協議会によると、災害ボランティアセンターを経由している方で岩手、宮城、福島の3県でボランティア活動をしているのは、ピーク時の2011年5月の18万人以上から、2015年7月では5000人と大幅に減少している。一定の役目を終えた、ということはあるのだろうが、震災の風化が進んでいると言われる中、東京から毎月宮城県石巻市を訪れるボランティア団体がある。『This is a Pen』の代表でモデルのShogoさんに、12/16まで行われているクラウドファンディングの目的やボランティアについて話を聞いた。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。地震、津波、それに福島第一原子力発電所事故。1.5万人以上がなくなるなど多くの人の生活が一変した (写真提供:This is a Pen)

人としてできることを

 Shogoさんはファッション誌、広告、TV CMなど、幅広く活動を行っているファッションモデルである。彼がボランティアを始めたのは、東日本大震災後が初めてで、元々社会貢献活動やボランティアに関心があったわけではないという。

 「あの時の衝撃が今までにないくらいに強すぎて。なんで今自分の職業がモデルなんだろうって思ったんです。現地の人の力になれるような職業に就いていたなら、と悔しかったんですよね」。震災後は東京も一時的にパニックになったが、電車や道路など交通網が普段通りになると、仕事は何もなかったかのように始まった。移動中のロケバスや待ち時間に見るテレビのニュースで、被害の大きさを知るにつれ、Shogoさんの現地に行こうと思う気持ちはますます高まった。

大学時代にケガでサッカーを断念し、モデルを始めたShogoさん。最近ではファッション誌や広告、TV CMと活躍の幅を広げている (写真提供:Wakana Oono)

 「震災の時に、人としてさらけ出されたと思うんです。モデルでも外国人モデルやハーフモデルは日本を離れて国に帰っていく人が多くて、ちょっと殺伐とした雰囲気がありました。『みんなここから逃げなきゃならない。生きる選択をするかしないか』みたいな感じで。東京で、生きることだけを考えている人を目の当たりにしたんです。モデルってエンターテイメントなところがあって、華やかに見える、着飾る部分があるのは事実なんですが、やってる側も見てる側もやっぱり同じ人なんです。僕は職業が違うだけで、無理して違う人だって見せるつもりもなくて。震災の時にそのことを学びましたし、僕はちょっとだけでもいいから、今、人としてできることをやりたい、と思っています。

 東北へはすぐに行きたい思いはあったのですが、『今は状況も混乱していて、足手まといになるのでは』という事務所からのアドバイスもあり、一カ月東京で何ができるかを考えました。その間に仲間とフリーペーパーを作ったりしていました。そして、4月半ば、初めて岩手県に行きました。事務所に盛岡出身の先輩がいて、宮古市と山田町に行ったんです」

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森本茂樹(もりもと しげき)

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