風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2009年10月23日

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野村 滋 (のむら・しげる)

株式会社コンテンツ・ファクトリー代表

情報誌会社勤務時代に取材で、創立間もない風の谷幼稚園と出会う。その後12年間、風の谷幼稚園の変遷を追い続けている。風の谷幼稚園の教育実践記『4歳の胸のうち』『5歳の誇り』を同社から出版。

 風の谷幼稚園に行ってまず気がつくことがある。それは、子どもたちに制服がないことだ。着ている服はそれぞれだが、5分丈のズボンを履きシャツをズボンの中に入れている。髪の長い子どもは髪をまとめ、首筋に髪の毛がかからない格好で元気に走り回っている。これには何か意図があるのだろうか?

 「衣服については、親のセンスや趣味もさまざまあると思いますが、子どもの健やかな成長のためには、この時期にどのような衣服がふさわしいのかを真剣に考える必要があります。幼児期においては『動きやすく身繕いをさせる』ということが一番大切だと考えています」(天野園長)

 そして、その動きやすい身繕いを覚えた結果、子どもたちの中に大切な、そして未来に必ず活かされる力が育つと考えている。これが風の谷幼稚園の掲げる「衣服の自立」である。

動きやすい服装こそが
子どもに最適の服装である

 では「衣服の自立」とは何か?

 これについても、「食の自立」同様、多様な内容が組み込まれており、すべてを説明することは難しいが、その代表的なものを紹介してみよう。「衣服の自立」とは、以下のような状態が達成されていることを指している。

■衣服の着脱が自分でできるようになる(前後、左右、裏表を意識して)
■温度にあわせた着方ができるようになる(暑くなったら脱ぐ、寒くなったら着る)
■汚れの状態を判断して着替えができるようになる(このくらいなら着替えなくてもいい、叩けば汚れが落ちる、乾くからいい)
■見通しを持った衣服の選択ができるようになる(その日の活動によって適切な服を選べるようになる)
■自分の衣類を管理できるようになる(畳み方、重ね方、しまい方、汚れたものは持ち帰る・・・)・・・

 これらのことを、子どもたちが確実に習得できるように日々のきめ細かい指導が行われている。

 ちなみに、冒頭の制服がない理由を尋ねてみると以下のような答えが返ってきた。

 「幼児期の子どもにとって制服は適切ではないという判断をしているのです。というのは、制服を着ていると温度状況に合わせて着脱をしようという意識が希薄になるし、『汚しちゃいけない』という意識が育ち、活動量が制限されやすいのです。幼児期は『動いて成長を促す』ことが大切なので、子どもたちには常に動きやすい服装をさせるということが基本になります」(天野園長)

 では、動きやすい服装とは何か?

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