WEDGE REPORT

2016年1月21日

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ゴン川野 (ごん・かわの)

フリーランスライター

小学生より写真とオーディオをはじめ、高校では写真部部長として暗躍。コピーライターを経て雑誌ライターに転職。バブル期にオーディオ誌で荒稼ぎしてハイエンド機器を揃える。現在はアップル株値上がりで撮影スタジオ兼リスニングルームの新築を画策中。阿佐谷在住。合資会社GON代表。

PHEVの逆襲「ECE R101」

 2021年規制はガソリン車、ディーゼル共に厳しい目標値であり、ラグジュアリーカーやスーパーカーは、もう走れないと思ったのだが、欧州の燃料測定法「ECE R101rev3」には意外な抜け道が用意されていた。それが、二酸化炭素排出量の軽減係数の採用である。軽減係数はハイブリッド車に適応される係数であり、計算式は、(EV走行距離+25)÷25となる。25という数字は、一般的な運転距離は25キロぐらいから決められたという。この式から分かるのは、EV走行距離が1キロでもあれば軽減係数は1.0を超えるということだ。バッテリーで1キロしか走れなくても軽減係数は1.04になり、仮にCO2排出量100グラム/キロのハイブリッド車なら計算後の排出量は、CO2排出量÷軽減係数=96.1グラム/キロとなる。

 「S300h」(ロングホイールベース)の場合、2.2リットル直4のディーゼルハイブリッドでCO2排出量は133グラム/キロだが、電気モーターで35キロ走行できる。軽減係数を使えば133÷2.4=55.4グラム/キロとなって2021年規制を楽勝でクリアーできる。この軽減係数の恩恵を最大限にいかせるPHEV(プラグインハイブリッド車)が自動車メーカーの救世主になることは間違いない。VW、アウディ、ポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツ、ロールス・ロイス、ベントレーがPHEVへ参入を表明している。

 欧州では「ECE R101」によるPHEVの優遇措置に加え、CO2排出量が50g/km以下の乗用車は1.5台分としてカウントできるという特別クレジットのおかげでPHEV及びEVはさらなる恩恵を受ける。そこに真っ向から勝負を挑むのが、マツダのSKYACTIV-Dとなる。2021年の勝者は果たして誰なのだろうか。


  
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