WEDGE REPORT

2016年2月24日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 ついにあの大物が脱落した。米大統領選挙予備選は、2月20日共和党のサウスカロライナの結果で3位以内に入れなかったジェブ・ブッシュ氏がリタイアを表明した。

 ブッシュ氏リタイアは「予想の範疇」ではあった。これまでアイオワ、ニューハンプシャーと結果が出される中、共和党はほぼトランプ、クルーズ、ルビオの三氏の勝負に絞り込まれた。ブッシュ氏はなんとか逆転を図ろうとサウスカロライナでは元ファーストレディーの母親、元大統領の兄が応援にかけつけたが、結果は4位。しかもサウスカロライナは勝者が代議人を総取りするシステムのため、50人の代議人はすべて1位だったトランプ氏のものに。これ以上の生き恥は晒せない、との判断か、ブッシュ氏は脱落を決意した。

注目されるスーパーチューズデー後の立候補

トランプ氏を超す富豪といわれるマイケル・ブルームバーグ氏の出馬はあるのか?

 一方の民主党は同日ネバダ州での選挙で、ヒラリー・クリントン氏が勝利宣言したものの差はわずか5ポイント。ネバダは得票に応じて代議人が割り振られるため、クリントン氏とサンダース氏はこれで全く互角の代議人数となった。

 この結果を受け、米では「大統領はサンダース」という意見がじわじわと浸透し始めている。米国民全体への世論調査では、「好感を持つ」割合が過半数を超えているのはサンダース氏のみだからだ。

 ハフィントン・ポストの調査によると、「トランプ氏を信頼しない」と答えたのは59%、ヒラリーに至っては67%だ。ヒラリー・クリントンが信頼されない理由のトップは、国務長官時代の個人メールアドレスの公用での使用にある。現在もFBIが「捜査続行中」と表明しており、個人アドレスでの送信内容が「極秘事項に関わることで公開できない」ものも含む、など「公私混同」というイメージが定着しつつある。

 さらに、ヒラリー陣営はスーパーPACなどでこれまで25億ドルといわれる巨額の選挙資金を調達したが、現在国全体でのサンダース氏との差はわずか5.6ポイント。しかもヒラリー陣営はこれまでのキャンペーンでこの資金をほぼ使い果たし、ハリウッドセレブからの寄付に頼らざるを得ない状況だ。

 サンダース氏は主にインターネットを通し、一口3ドルからの個人寄付により選挙戦を行ってきたが、ここに来て寄付が急増している。今余裕があるのはサンダース氏の方だ。

 もしサンダース氏が民主党候補となった場合、国民からの信頼の薄いトランプ氏は勝利できない、という予想がある。ヒラリー・クリントン氏でも「信用しない」人の率がトランプ氏を上回るため、勝利は難しいかもしれない。一方のサンダース氏は「庶民の味方」であり「公正かつ正直な人間」とされ、好感度の高さはナンバーワンだ。

 となるとサンダース氏の最大の敵は「スーパーチューズデー(3月1日)後に立候補するかどうかを表明する」という元ニューヨーク市長、マイケル・ブルームバーグ氏かもしれない。

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