風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2009年11月19日

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野村 滋 (のむら・しげる)

株式会社コンテンツ・ファクトリー代表

情報誌会社勤務時代に取材で、創立間もない風の谷幼稚園と出会う。その後12年間、風の谷幼稚園の変遷を追い続けている。風の谷幼稚園の教育実践記『4歳の胸のうち』『5歳の誇り』を同社から出版。

グランドからの帰り、奈々子ちゃんと手をつないだ風組(5歳児年長クラス)の広貴くん。どうしても前の子との間が空いてしまいます。
「広ちゃん、間をあけないようにね」と言うと「だって、この子(奈々子ちゃん)が」と広貴くん。どうやら奈々子ちゃんがパッと手を離してしまったり、急に止まってしまったりするのでなかなかスムーズに歩けないのです。
止まってしまう奈々子ちゃんに「もう、歩いてよ」と広貴くん。その言葉が聞こえているのかいないのか、その後もやはりマイペースで歩く奈々子ちゃん。困って少しプリプリしながらも、決してひっぱったりせず奈々子ちゃんを待つ広貴くんは、さすが風組でした。    花1組学級通信「ぽかぽか」より

  これは入園式の1週間後行われる花組(3歳児年少クラス)を歓迎する行事のひとコマだ。中庭に全園児が集まっての「入園を祝う会」。そして、祝う会が終わると風組の子どもたちが新入園児である花組の子どもたちと手をつないで、近所の川崎フロンターレのグランドへ向かう。(近所にあるJリーグ・川崎フロンターレの練習グランドが空いているときは子どもたちの遊び場として使わせてもらえることになっている。先生や子どもたちはこの場所を「フロンターレ」と呼ぶ)

 そして、このフロンターレに行くまでの約300メートルの間は、一般道路を歩くため自動車の往来もある。そこで風組は花組の手をつなぎ、自分たちが車道側に立ち3歳児を守るように歩く。そしてグランドに到着。ここでは風組がつくった風車がプレゼントされる。ドキドキわくわくしながらプレゼントの順番を待つ花組の子どもたち。そして風組から名前を呼ばれ、風車をもらって大喜びだ。

年長さんから風車をもらい、満面の笑顔の新入園児。この幼稚園生活スタートに込められた教育意図とは?

 「見て、もらったよ!」

 「まわった!」

 色とりどりの風車と子どもたちの歓声と笑顔でグランドが一杯になる。入園して何日かは、「お母さーん」「ママー」と泣いてばかりいた子どもたちは、少しずつ幼稚園の生活に慣れていく・・・。

 

 

 このように風の谷幼稚園の新入園児たちの1年は、先生や年長児の愛情を全身でたっぷりと感じるところからスタートする。このスタートに込められた意味を今回は紹介していこう。

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