詐欺罪で刑事訴追された「トランプ大学」
勝利宣言の日に思わぬ敗北

スーパーチューズデーの背後で何が?


土方細秩子 (ひじかた・さちこ)  ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

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米大統領選挙の両党候補を絞り込む予備選は、3月1日、全米11の州で一斉に投票が行われる「スーパーチューズデー」を迎えた。結果、共和党で11州のうち7州で圧勝したのはドナルド・トランプ氏(69)。これでトランプ氏が本当に大統領候補となる可能性は非常に高くなった。

ニューヨーク州で思わぬ敗北

マンハッタンのトランプタワー(iStock)

 しかしその勝利宣言の日、地元ニューヨーク州では、思わぬ敗北を喫した。選挙ではない。トランプ氏の周辺に対し、刑事訴追の決定が下されたのだ。

 内容は詐欺罪。実はトランプ氏、2005年に「トランプ大学」なるものを設立した。主にオンラインによる「不動産投資で成功する方法を学ぶ」とうたった営利団体で、10年に名称が「トランプ・エンタープレナー・イニシアチブ」に変更された。その理由は大学と銘打っても実際には営業ライセンスを取った正規の大学ではなく、学位などが認められない、と学生から抗議の声が挙がったため。

 このトランプ大学に「騙された」という訴えがニューヨーク州に複数寄せられた。トランプ大学は3日間のセミナー1500ドルから、「コンプリートコース」3万5000ドルと高額の「授業料」を取っていたが、授業とはホテルの宴会場でトランプ氏の部下の講演を聞くだけだったという。学生の多くは「ドナルド・トランプ自らが不動産業界での成功の秘訣を伝授してくれる」と理解していたが、実際にはそのような内容ではなかった。

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著者

土方細秩子(ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

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