世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年3月17日

 2月11日のシリア停戦合意について、ケーガン夫妻(夫フレデリック:米AEI Critical Threatプロジェクトディレクター、妻キンバリー:米Institute for the Study of War所長)が、米AEIのサイトに2月12日付で「シリアの停戦はロシア、アサド、イランにとっての大勝利」との論評を寄せ、厳しくこの合意を批判しています。両名の論旨は次の通り。

長引く紛争により廃墟と化したダマスカスの街(iStock)

停戦後も人道支援をコントロールできるアサド連合

 2月11日のシリア停戦合意は、ロシアとアサド体制にとって大きな勝利である。ロシア、イラン、シリアは、アレッポを包囲し、戦場での優位を得るための軍事作戦を行っている最中である。今般の「敵対行為停止」合意は、彼らのこれまでの成果とさらなる前進を確実なものにする一方、米国が支持している反政府軍がそれを押し戻すのを妨げる。

 合意は、アレッポとその周辺の何十万もの人々へのアクセスを認めることをアサド連合に要求していない。アサド連合は、自ら包囲し飢えさせている他の地域への人道支援も完全にコントロールしうる。合意は、米支持の反政府軍の参加なしで結ばれており、反政府軍が重要な地を失っている時に、彼らに停戦を強制するものである。

 さらにロシアは、シリア北部の全ての反乱軍をISISかヌスラ戦線と決めつけている。ラブロフ外相は今日、「不法な軍事組織に占拠された都市を解放するための攻撃は必要なことだ。占拠はヌスラ戦線、ジャイシュ・アル・イスラム、アハラール・アル・シャームによりなされている」と言った。

 ロシアは今般の合意を、アレッポの全ての反乱軍に対する作戦、アレッポの包囲の継続を許すものと見なし、現在アレッポにいる非ヌスラ戦線、非ISISの反乱軍を弱め続けるだろう。

 今般の「停戦」は、国連が人道に対する犯罪と呼んだことをアサド体制に一時的に止めさせるために、反乱軍に譲歩を求める政策を継続するものである。

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