WEDGE REPORT

2016年6月14日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 カリフォルニア州に本社を置き、現在北ラスベガスに工場を建設中の新規EV企業、ファラディ・フューチャー(FF)が活発な動きを見せている。2年後に独自のEV市販を目標に掲げ、「テスラのライバル」になる、と自負するFFだが、その狙いはEVの市販にとどまらない。

FFのコンセプトカー(同社HPより

フェラーリからヘッドハント

 まず最新のニュースとして話題となっているのが、イタリア出身の自動車業界のエリート、マルコ・マティアッキ氏の「グローバル・チーフ・ブランド・アンド・コマーシャル・オフィサー」への就任だ。

 マティアッキ氏はローマ生まれ、数々の自動車メーカー、レース業界などで経験を積んだ後、2006年にフェラーリのアジアパシフィック部門の社長に選出された。本拠地は上海だが、日本のマーケットにも深く関わった。その後2010年に北米フェラーリの社長となり、2012年には「南北アメリカでのフェラーリセールスを倍増させた」として「オートモティブ・エグゼクティブ・オブ・ジ・イヤー」を受賞した。FF入社直前まではフェラーリのF1チームのマネージング・ディレクターでもあった。

 FFでの使命はFFブランドの確立、ユーザー・エクスペリエンスの提供、グローバルなセールス・サービスのプラットフォーム構築などだ。過去の実績を存分に活かし、世界でFFという企業への認知度を深めることに自信を見せる。

 マティアッキ氏は「自分のキャリアを通じて、常に革新的技術の信奉者であり、独自のユーザー・エクスペリエンスの提供に情熱を感じてきた。FFチームに加わることは全く新しい、コネクテッドでインテリジェントな考え方を生み出し広げる、またとない機会となる」と語っている。

 人事を固める一方で生産への準備も着々と整っている。ラスベガス近郊の工場の建設を始める一方で、すでに2番目となる工場用地の交渉に入った。その場所とはシリコンバレーにほど近いカリフォルニア州バレホである。すでにバレホ市議会はFFとの交渉に賛成の議決を行った。交渉内容は同市内の157エーカーの土地をFFに譲渡する、FFは20万ドルの手付金を支払い、市の土地譲渡に関わる交渉費用の一部を負担する、というもの。譲渡総額などは明らかにされていない。

 FFはこの広大な土地にEV工場の他、「ユーザー・エクスペリエンス・センター」を設置、顧客がテストドライブを行える場を提供する予定だという。

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