WEDGE REPORT

2016年5月30日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 米大統領選予備選挙の「最後の山場」と言える6月7日のカリフォルニア州の投票。それを前に、共和党候補に決定したドナルド・トランプ氏(69)と、民主党候補のバーニー・サンダース氏(74)がテレビ討論会を開催するというのが話題となった。

 元々この討論会はサンダース対クリントンが予定されていた。両氏は党員集会までに行う討論会の数をあらかじめ合意していたが、ここに来てヒラリー・クリントン氏(68)が拒絶、その理由は「対トランプに専念したいから」だという。民主党もほぼクリントン氏に決定してはいるものの、まだ選挙戦を続けているサンダース氏を「もう相手にしない」と切り捨てたも同然で、サンダースはこれに対し「Insulting(侮辱している)」と発言。サンダース氏自身に対してだけではなく、投票を控えるカリフォルニア州民にも候補者の意見を聞く権利はあり、有権者全体への侮辱、と非難した。

 その代わりに名乗りを上げたのがトランプ氏だ。ただし「テレビ局は出演料として10-15万ドルを支払うこと、その金額は慈善団体に寄付すること」という条件付きだ。トランプ氏には珍しく殊勝な発言だが、その裏には「ヒラリーの失礼さを強調する」「民主党支持者の投票をヒラリーではなく自分に引き寄せる」という深謀遠慮も伺えた。

サンダースを支持するロサンゼルス市民(筆者撮影、以下同)

トランプが最も苦手な相手

 ところが、討論を受け入れる、と宣言した翌日には手のひらを返し「すでに共和党候補に決まった自分と民主党の二番手であるサンダース氏が討論するのは『不適切』」と返答。

 実際のところ、トランプ氏にとってサンダース氏は「最も苦手」な相手でもある。トランプ氏はこれまでライバルのクルーズ、ルビオ、ブッシュ、ポール、フィオリーナと様々な候補者をこき下ろしてきた。現在はクリントン氏を攻撃している。しかしサンダース氏に対しては「クレイジー・バーニー」と呼ぶ以外の表だった攻撃はしていない。攻撃する材料に乏しいのだ。

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