海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年5月11日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

 今回のテーマは、「トランプの副大統領候補」です。不動産王ドナルド・トランプ候補は、中西部インディアナ州でテッド・クルーズ上院議員(共和党・テキサス州)をノックアウトし、撤退に追い込みました。しかも、ジョン・ケーシックオハイオ州知事も撤退表明をしたため、トランプ候補は共和党候補指名獲得を確実にしたのです。

 ラインス・プリーバス共和党委員長は、2013年3月ワシントンで演説を行い、12年米大統領選挙の敗北を分析し、少数派、ことにヒスパニック系の票の獲得が16年の選挙の勝敗を左右する重要な要因の1つになると結論づけています。ところが、ヒスパニック系を排斥する政策で支持を得たトランプ候補の勝利は、同委員長が描いたシナリオとはまったく異なった方向へ共和党候補指名争いが進んでしまったことを意味しています。それでも、同委員長はインディアナ州における指名争いの結果が出ると、ツイッターで「トランプ候補が指名獲得をするだろう」とコメントし、ヒラリー・クリントン候補を破るために党の結束を図る必要があると呼びかけました。

 指名獲得を確実にしたトランプ候補ですが、反トランプの主流派からの抵抗が強いため、党の統一が最優先課題になっています。同候補がその課題を果たすには、「副大統領候補のカード」を効果的に切ることが欠かせません。

 そこで、本稿ではトランプ候補の副大統領候補を中心に述べていきます。

トランプ候補の副大統領候補

 トランプ候補の副大統領候補は、激戦州、女性、ヒスパニック系及び政治的経験の4つのカテゴリーに分類できます。ただ、各候補の中には、カテゴリーが重複する候補も存在します(図表1)。

 米メディアによりますと、激戦州ではケーシックオハイオ州知事とリック・スコットフロリダ州知事が挙がっています。1960年の大統領選挙以来、オハイオ州を制した候補が大統領に就任していると言われるほど、同州は激戦州の中で極めて重要な地位を占めているのです。しかも、共和党は夏の全国党大会の開催地を、民主党の地盤である同州北東部クリーブランドにしました。トランプ候補及び共和党幹部にとってケーシック知事の力は、大会成功のための必須となっています。

 一方、フロリダ州も重要な激戦州です。米メディアの中には、本選で民主党は過半数の選挙人270に対して、すでに242まで獲得が可能であり、フロリダ州の選挙人29を獲得できれば、271となり過半数を超えることができると分析するメディアもあります。それを阻止するために、トランプ候補は本選で第2の故郷と呼ぶフロリダ州での勝利が欠かせません。

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