WEDGE REPORT

2016年5月25日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 5月22日、およそ1万6000人を収容できるカリフォルニア州アーバインの野外コンサートホールはほぼ満員の聴衆で埋まっていた。彼らが待っていたのは、米大統領民主党候補者バーニー・サンダース(74)その人だ。

アーバインでの集会で演説するサンダース氏(筆者撮影)

 6月7日のカリフォルニア州の予備選挙を「頂上決戦」と捉え、熱心な選挙運動を続けるサンダース氏は、5月後半からほぼ毎日のようにカリフォルニア州のどこかで集会を開いている。そしてほとんどの集会がこのように1万人近くの人を集め続けている。

政治上の伝説になる

 

 民主党予備選は5月22日現在、獲得代議員数でヒラリー・クリントン氏(68)が2293、サンダース氏が1533だ。「数字上からサンダース氏の逆転は不可能」と言われる。勝利に必要な数は2383で、残りの全てでサンダース氏が勝ったとしても届かないためだ。その「負けが決まった」候補のために、これだけ多くの人が集まり続けるのは「政治上の伝説になる」とまで言われている。

 「全ての米国人がきちんと働けば普通の暮らしができる社会の実現を」というのがサンダース氏の主張だ。残念ながら現在の米国では夫婦でフルタイムで働いても子供をまともに大学にも通わせられない、高額な医療が受けられない、老後の生活に困る人々が多くを占める。子供の貧困率は先進国中で最高だ。それは「グリーディ(強欲な)企業、政治エスタブリッシュメントが富を自分たちに集中させているからだ」とサンダース氏は吠える。

 ゆっくりとした簡易な言い回しで「自由の国米国を再び取り戻そう」「今こそ政治的革命を」と訴えるサンダース氏には、どこかマーチン・ルーサー・キング牧師の「I Have A Dream」演説を思い起こさせる面がある。それが特に若い人々を引き寄せ、熱狂させている。

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