自動運転と並び、既存の自動車業界を揺さぶっているのが「カーシェア」だ。
2025年までには、自動車全体の20%がシェア利用されると言われている。自動車メーカーは、自動車ビジネスの新しいあり方を模索することを迫られているのだ。
今年2月にバルセロナで開催された、世界最大級のモバイル見本市「モバイルワールドコングレス」で、フォードのマーク・フィールズCEOは「フォードは、自動車メーカーから、自動車サービス企業に変わる」と宣言した。
かつて自動車は憧れの対象であり、若者にとっては所有する車がそのアイデンティティーとなっていた。今や若者にとってのアイデンティティーはスマホなどの電子機器にとって代わられ、自動車は「持つ」ものから「使う」ものへと急速に変化を遂げている。
そうした現状に危機感を抱き、最近BMW、GM、フォードなどの欧米の大手自動車メーカーが、相次いで「カーシェア」事業に参入している。
日本においても、1960年代からトヨタや日産などのメーカーが、自社の車をレンタルする「レンタカー」ビジネスを展開したが、それらのサービスとは内容も狙いも大きく異なる。
BMWは、今年4月に米国シアトルで「ReachNow」というカーシェアサービスをスタートした。ReachNowは、BMWおよび傘下のMINIの自動車を「1分単位」で、「どこからどこへでも」簡単に借りることができるサービスだ。