WEDGE REPORT

2016年4月26日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

 次世代の車として注目されている自動運転について日産自動車の技術開発担当の山口豪副社長が日本記者クラブで講演した。先進的なセンシングなどを使った運転支援技術の開発を進めることにより「2016年には単一車線を走れる自動運転車の導入、18年には高速道路で車線変更が可能な、20年には一般市街地で自動運転が可能な自動運転車を走らせたい」と自動運転の開発ロードマップを明らかにするとともに、「運転する楽しみも残したいので、ハンドル、ブレーキ、アクセルは残る」と発言、米国の検索大手グーグルなどが目指しているハンドルのないロボットカーとはコンセプトが異なる考え方を明らかにした。

3つの価値

 日産は持続可能なモビリティ社会の実現に向けて、走行中の二酸化炭素の排出をゼロにする「ゼロ・エミッション」と、日産車がかかわる交通事故の死亡・重傷者を実質ゼロにする「交通事故死・重傷者ゼロ」の2つに企業ビジョンを掲げている。「ゼロ・エミッション」実現のためには電気自動車の開発を積極的に進め、「交通事故死ゼロ」を達成するために自動運転車の開発を進めているとしている。

日産が開発中の自動運転車      

 山口副社長は自動運転車の実用化による3つの価値を挙げた。1つは安全の向上。米国の統計データによると、交通事故の93%はドライバーに原因があるといわれる。このため日産ではできるだけドライバーを危険に近づけないようにするシステム、具体的には360度をセンシングできるアラウンドビューモニター、車線を逸脱するのを防止するシステムなどを導入することで、ドライバーへの危険を未然に防ぐことができ、事故を減らすことができる。

 2つ目は、運転中のストレスをなくすこと。渋滞に巻き込まれた場合や、狭いスペースの駐車などを、人間でなく機械が自動的に行ってくれることで、運転の際に起きるストレスを感じなくなる。

 3つ目が、フリータイムを楽しむこと。運転以外のこと、例えばメールのチェック、だれかと電話する、車窓の風景を楽しむなど運転以外のことが自由にできるようになる。

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