前向きに読み解く経済の裏側

2016年6月25日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 英国のEU離脱という大きなニュースに、週末の金融市場は大混乱となりました。英国がEUから離脱すると、世界経済に大きな悪影響が出ると心配している人も多いようです。

 しかし筆者は、日本経済への影響は小さいと考えています。そもそもEUのメリットがそれほど大きくないので離脱の影響も小さいこと、仮に欧州経済が混乱しても日本への影響はリーマン・ショックとは比較にならないほど小さいこと、が主なポイントです。

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英国のEU加盟で日本の株価は暴騰したか?

 そもそも、EUというものは、人や物などの行き来を域内で自由にしよう、という協定であって、それほど重要なものではありません。たとえば軍事同盟から一国が抜ければ世界の軍事バランスが変化して大事に至る可能性も出てきますが、そういう物では無いのです。

 EUの前身となる組織に英国が加盟した時、世界経済を激変させるような大変化が起きたでしょうか?世界や日本の株価が暴騰したでしょうか?そんな事はありませんでした。

 世界中で様々な自由貿易協定等々が締結されていて、参加国にはそれなりのプラス効果はあるようですが、自由貿易協定によって劇的に経済が改善した先進国の話は聞いたことがありません。

 ということは、英国がEUを離脱しても、それほど破滅的な影響を被ることはあり得ない、ということになります。せいぜい、英国と欧州大陸の間の貿易や投資が若干滞って経済に若干の悪影響が出る、といった程度でしょう。

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