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2017年1月8日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 世界最大の家電展示会として発展してきたCESは今年50週年を迎える。その記念すべき年の最初の基調演説を行ったのは、NVIDIA社CEO、ジェンスン・フアン氏だ。NVIDIAは元々グラフィックス半導体会社だったが、そこからVR(バーチャル・リアリティ)、AR(拡張現実)、MR(ミックスド・リアリティ)、さらにAI、そしてAIを使った自動運転システム開発に欠かせないプラットフォームを提供する会社へと、ユニークな発展を遂げた企業だ。

ジェンスン・フアン氏

 特にAIの分野ではディープニューラル・ネットワークによるディープラーニングに注力し、「人間のようにモノを認識し、考え、判断する」システム作りに定評がある。

 そのNVIDIA社は基調演説の中で今後の企業の方向性を示す新製品、技術の発表を行った。まず、そもそもの業務であったゲームにおいて、同社はGeForceという独自のプラットホームを持つが、このプラットホームをそのままクラウドに取り込み、ユーザーが自分のPCからオンデマンドでゲームを楽しめる、というシステムを構築した。

 フアン氏によると「ビデオゲームは広告出稿額が年間に50億ドルある、オンライン映像産業の中で最も成功した分野だ。しかし世界にはゲームへのアクセスができないPCユーザーが10億人いる。この人々に気軽にゲームを楽しんでもらうには、スーパーコンピュータにインストールし、そのままクラウドに持ち込むという方法が最も手軽」なのだという。

 料金は20時間で25ドルで、今年の3月から実施される。PCユーザーなら誰でも同社のゲームプラットホームにアクセスでき、そこからタイトルを選んで自分のPCで遊ぶことができる。本来のストリーミングならばゲームをダウンロードするのに数十分かかることもあるが、クラウドにアクセスする形をとるため数分でダウンロードが完了する、という。

 次に、映像という観点から「テレビをもう一度発明し直す」という「SHIELD」という製品だ。これはPCとテレビをつなぎ、グーグルアシスタント、AIエージェントを用いてテレビをハブとしたスマートハウスを構築するアイデアだ。ユーザーはテレビの前に座り、「OK Google」と呼びかけて「音楽が聞きたい」「ドラマが見たい」などと音声コマンドを送ると、テレビがそれに従って画面を表示する。

 「フェイスブックのマーク・ザッカーバーグは優れたプログラマーで、自宅に自分たちのためだけのAIアシスタントを創りだした。でも私はみんなに同じようなものを安い価格で提供しようと考えた」と、フアン氏は話す。

 さらにこのスマートTVと連動する「SPOT」と呼ばれる小型のマイクロフォンも合わせて発表された。このマイクを家中に複数設置することで、例えば2階にいても1階のスマートTVを起動させ、そこからコマンドでエアコン調整などを行うこともできる。SHIELDは199ドルで発売される予定だ。

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