世界の記述

2017年1月20日

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大西康雄 (おおにし・やすお)

日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所・上席主任調査研究員

1977年早稲田大学政治経済学部卒、アジア経済研究所入所。駐中国日本大使館専門調査員、中国社会科学院工業経済研究所客員研究員、アジア経済研究所地域研究センター長、JETRO上海センター所長などを経て現職。

 中国では2017年度以降の成長率をめぐる議論が活発になってきた。本稿が読者の目に触れるころは、例年なら16年の成長率が発表されるタイミングだが、17年さらにはそれ以降の中国経済についてどう見るのかを議論しておくことが重要である。

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 国内エコノミストの多くは、17年は16年より若干減速し、6.5%程度と予測している。減速と見る根拠としては、成長を支える「三頭立て馬車」(消費、投資、輸出)のうち前2者は安定的なものの輸出はマイナスが続くことがあげられている(中国国家情報センターのアナリスト)。この予測の成否はそれとして、より注目すべきは、第13次5カ年計画の最終年次(2020年)までの成長率をめぐる議論だ。

 習政権は、20年の国民一人当たりGDPを10年の2倍にすることを公約としており、この達成には平均年率6.5%以上の成長が必要となる。これを踏まえてどのように経済を運営していくのかが政策当局の腕の見せ所となる。中長期成長予測においては、上記した3要素に代えて「労働力投入、資本投入、全要素生産性向上」が重要となる。各要素がもたらす推計成長率合計6.2%は「潜在的成長率」とされる。「潜在的」とは、インフレや失業率上昇などの景気循環的現象が発生しなければ達成可能な、という意味である。

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