世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年4月24日

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 ワシントン・ポスト紙コラムニストのイグネイシャスが、3月16日付同紙のコラムで、いまや衛星は、地上の商業、軍事活動に不可欠となっているが、攻撃に極めて弱く、宇宙が戦場になる可能性がある、と述べています。論説の要旨、以下の通り。

(iStock)

 米空軍司令官のGoldfein大将は、宇宙は今や戦場となる可能性があり、空軍は宇宙での優位を確保したい、これは宇宙で攻撃されず、行動の自由を確保するということである、と述べた。
今日のデジタルの世界は、地球を回る衛星のネットワークで維持されている。

 それは地上での商業上の、そして軍事上の作業のためのシステムであり、攻撃に極めて弱い。ロシアはウクライナのGPS利用を、中国は米国の気象衛星を、北朝鮮は非武装地帯上空の信号を妨害した。

 1967年の宇宙条約は、宇宙における核兵器の使用は禁止したが、通常兵器の使用は禁止しなかった。ロシアは1961年に最初の衛星破壊兵器計画を始めた。冷戦の終結とともに、宇宙での紛争の恐れは和らいだが、2007年中国が衛星破壊ミサイルの実験を行い、その後8回実験をした。ロシアも実験を再開した。米国もミサイル防衛の一部として衛星破壊ロケットを開発したと思われる。

 今日国防総省はロケット攻撃より電子攻撃を懸念している。衛星は他の衛星に対し、妨害電波を発生できる。GPSの信号を阻止するため地上のシステムが電子の泡を作り出せる。ロシアは2014年、ウクライナのドローンの機能を損なうためこの技術を使った。

 米空軍は関係省庁間の作業を調整するため、統合宇宙作戦センターを設立したが、軍と民間の宇宙利用者との連携はまだ初歩の段階である。

 米国は通信の情報の共有に比べ、宇宙の秘密を共有することを躊躇している。

 まだ「ファイブアイズ」(注:UKUSA協定と呼ばれる、米英豪加NZの5か国による諜報協定)に相当する連携はないが、英、豪、加は宇宙作戦センターを作っており、いずれ11年前に設立された米海軍の部局とデータを共有できるだろう。

 地上におけるのと同様、隠れた危険はハッキング(コンピューターへの不法侵入)である。もし防護されなければ、軌道を変えられたり、センサーの機能を停止されたり、データを改ざんされうる。しかし、宇宙の専門家はまず話し合うべきである。

出典:David Ignatius,‘War in space is becoming a real threat’(Washington Post, March 16)
https://www.washingtonpost.com/opinions/war-in-space-is-becoming-a-real-threat/2017/03/16/af3c35ac-0a8f-11e7-a15f-a58d4a988474_story.html

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