世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年4月18日

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 最近、トルコと欧州諸国、特にドイツとオランダの関係が、エルドアン大統領の両国非難により悪化したことについて、3月14日付のニューヨークタイムズ紙が社説を掲載して懸念を表明しました。その概要は次の通りです。

(iStock)

 エルドアン大統領は、NATOの同盟国ドイツとオランダに対する言葉での攻撃をエスカレートさせている。エルドアンは、ヨーロッパとケンカすることが、4月16日の大統領の権限を強化する憲法改正国民投票において、民族主義的なトルコの有権者の支持を増大させることになると思っている。

 3月5日ドイツは、トルコの閣僚二人がドイツでのエルドアン支持集会に出ることを、安全確保ができないとして拒否した。これに対し、エルドアンはドイツを「ナチスのような行動」をしていると非難した。エルドアンはまた、オランダが同国でのエルドアン支持集会に出ようとしたトルコ外務大臣の空路入国を阻止し、陸路オランダに入っていた家族担当大臣を国外に出したことに憤慨し、「ナチの残滓」と非難した。

 エルドアンの攻撃的な姿勢は、反移民、反ムスリムの候補を、3月15日のオランダでの選挙、フランスでの4月と5月の選挙、9月のドイツでの選挙で有利にするかもしれない。3月13日、オランダの極右政党のウィルダースはトルコ大使の追放を呼びかけ、トルコ国旗を振っている人は「オランダ人ではなく、トルコ人である」ことを示していると述べた。これは欧州が長く堅持してきたオープンな社会に反する発言である。

 ドイツにはトルコ系の人が300万人いる。オランダには40万人のトルコ人がいる。EUはトルコの最大の貿易相手であり、トルコは強く団結したNATOを必要としている。EUは3月13日、声明を出し、事態の鎮静化を訴えた。NATO事務総長も「相互に尊重し、冷静になる」ことを呼びかけた。

 オランダの首相は「我々はエスカレーションを止める努力する。しかし、それには双方の努力が必要である」と述べた。エルドアンが行動する番である。

出 典:New York Times ‘Turkey’s Ugly Spat With Europe’ (March 14, 2017)
https://www.nytimes.com/2017/03/14/opinion/turkeys-ugly-spat-with-europe

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