ビジネスにも効く!アニメ監督のマネジメント術

2017年5月10日

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藤津亮太 (ふじつ・りょうた)

アニメ評論家

アニメ評論家。'68年、静岡県生まれ。'00年からフリー。アニメ作品・アニメ業界への取材を行っている。著書に『「アニメ評論家」宣言』(扶桑社)、『チャンネルはいつもアニメ』(NTT出版)、『声優語』(一迅社)、『ガルパンの秘密』(廣済堂新書、執筆は一部)などがある。TV番組に出演したり、複数のカルチャーセンターで講座も担当する。

議論ばかり繰り返していっこうに結論が見えてこない――そんな不毛な会議を経験したことのあるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。水島精二監督が語る、不毛な会議に陥らないための秘訣とは・・・?

水島精二氏(みずしま・せいじ)氏:アニメーション監督。『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)の演出などを経て、『ジェネレイターガウル』(1998)で監督デビュー。主な作品に『シャーマンキング』(2001)、『鋼の錬金術師』(2003)、『大江戸ロケット』(2007)、『機動戦士ガンダム00』(2007)、『UN-GO』(2011)などがある。2014年の映画『楽園追放 -Expelled from Paradise-』はオリジナル企画でかつ上映館数わずか13館であるにもかかわらず、1億7000万円を超えるヒットとなった。
★ この連載について ★
1本のアニメ作品に関わるスタッフは100人以上。アニメーション監督は、そんな大所帯を率いて作品の完成を目指すプロジェクトリーダーだ。作品をちゃんとまとまった形にするために、監督は打合せで狙いを説明し、成果物をチェックしてOKかNGかをジャッジする。アニメはそんな「打合せ」と「チェック」の積み重ねで出来上がっている。アニメーション監督はそこでどのようなマネジメントを行い、作品をあるべき形へと導いているのか。さまざまなアニメーション監督の作品づくりを支えるマネジメント術から、ビジネスパーソンにも役立つポイントを伝えていく。

 

スタッフの力を引き出す方法


――水島監督は1998年の『ジェネレイターガウル』で監督デビューしましたが、監督としての“仕事の仕方”が定まったのはいつごろでしょうか?

水島:『ジェネレイターガウル』の後の『地球防衛企業ダイ・ガード』(1999)の時には、もう今と同じようなスタイルになっていたと思います。それはあまり大げさなことではなく、誠実に仕事をするっていうことなんですけれど。

 自分が面白いと思っている企画に参加してくれるようにスタッフを口説く。おもしろいアイデアを出してくれたらそれをちゃんとフィルムに定着させるようフォローする。言いにくいこと、謝らなくてはならないことが出てきたら、なるべく早く相手に報告する。

 100%完璧にできているとは言いませんが、そういうことは常に意識していますね。
 

――水島監督はスタッフに作品の方向性を説明する時にはどんなふうに伝えますか。

水島:それはスタッフとたくさん話すしかないですね。たとえば、イメージを伝えるために写真集や画集、あるいは過去の映画とか、そういうものを“参考”として示す方法もあります。

 でも、それだと“参考”に似せることが“正解”だと思われてしまうかもしれない。そうなると、その人ならではのプラスアルファが出てこないこともある。

 言葉で方向性を説明すると、そこに曖昧な部分や隙間があることで、その人が自分の感性を発揮してくれるんです。アニメは集団で作っているから、こういうプラスアルファで作品が広がっていくことがとても大事なんです。
 

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