2024年4月25日(木)

こんな子 こんな時 こんな絵本

2010年7月15日

絵本でプラネタリウム気分

『星空の話』(福音館書店)    関口シュン文・絵  星座の不思議を楽しんだ後は、電気を消せば表紙でプラネタリウム気分。

 わが子は、一時期、極端に暗いところが嫌いで苦手でした。入口からトンネルを抜けないと展示室に入れない作りの博物館に行ったとき、どうしても足を進める事が出来ずに帰ってきてしまったことがあったくらいです。そんな人が、プラネタリウムを楽しめるようになるには、それなりの時間が必要でした。『星空の話』(福音館書店)のおじいちゃんのように、本物の夜空を一緒に見上げながら、星について、宇宙について話すことができたら…と、ちょっと羨ましくなります。でも、まずは本で楽しむのも一つの方法でしょう。この本は、表紙カバーが夜光インキで印刷された星座ポスターになっているので、自宅でプチ・プラネタリウム気分を味わって下さい。

 子どもとでかける代表的な場所のひとつが、動物園や水族館。工夫を凝らした展示や催しをするようになって、すっかり観光名所になった園もあるくらいです。確かに、久しぶりにでかけた動物園は、「動物が囲われて、見世物になっている」という私のイメージを払拭するものでした。ゾウにゴリラ、カバやペンギンといった御馴染みの動物たちも、子どもの目線に合わせて見ると、また新しい発見があって、見飽きることがありませんでした。『どうぶつえんガイド』(福音館書店)は、副題に「よんでたのしい!いってたのしい!」とある通り、出かける前に読むと、動物に会うのがより楽しみになります。でも、事前勉強が災いして、単なる確認作業になってしまうのは、つまらないと思います。どんな小さなことでも、大人にとっては当たり前のことでも、子どもが自分で気づく面白さを大事にして、一緒に楽しみしょう。むしろ、目の高さが違う子どもの視点に教えられることの方が、多いかもしれません。

 でも、どこかへ出かけなくても、身近なところに水族館や植物園があることをご存知ですか。それは、魚屋さんであり八百屋さんで、住んでいる場所や季節によって並ぶものが違いました。『町の水族館 町の植物園』(福音館書店)に登場するような、昔ながらの魚屋さんや八百屋さんは本当に少なくなりました。でも、その気になって周りを見ると、見過ごしていたことが、たくさん発見できると思います。毎日歩いている通学路だって、四季折々姿を変える植物園の一つ。『通学路の草花えほん』(PHP研究所)を見ると、名もない花はなく、野の草花もしっかり生きていることがわかります。名前を知ると、急に親しみを感じるのは、人間関係と同じですね。

『町の水族館 町の植物園』(福音館書店) 小林亜里 文 三柴啓子 絵      魚や野菜・・・この絵本を読めば、普段の買い物でも親子で新たな発見があるでしょう。
『どうぶつえんガイド』(福音館書店) あべ弘士 作・絵 なかのまさたか デザイン         この絵本を持って動物園に行っても楽しいかもしれません。














 


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