【論集】日本の外交と総合的安全保障

谷内 正太郎
【論集】日本の外交と総合的安全保障
【論集】日本の外交と総合的安全保障
谷内 正太郎

国際社会に新しく生じつつあるパワー・バランスの動向を見据え、戦略的思考に基づく総合的な外交・安全保障政策の実行を提言する。

定価:2,860円(税込み)
四六判上製、468頁
発売日:2011年10月20日
ISBN:978-4-86310-090-9
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 国際社会における権力構造は、冷戦後のアメリカによる一極構造が、(アフガン・イラクの桎梏、サブプライム・ローン問題、リーマン・ショック等による)アメリカの国力と国際的地位の相対的低下、逆に言えば中国・インド等の新興大国の台頭による新しいパワー・バランス(多極または無極構造)に姿を変えつつある。
  このような国際状況のもとで日本に要請されるのは、日本自身の座標軸を明確に設定した上で、戦略的思考に基づく外交・安全保障政策を果敢に実行していくことである。日本社会に根を下ろしつつある閉塞感、内向き・縮み思考を逆転させるためにも、日本は世界の平和、安全及び繁栄を志向して、積極的に国際社会に関与していくことが求められている。新しく生じつつあるパワー・バランスの動向を見据えつつ、自らのグローバルな役割と責任を自覚してこれを積極的に果たしていくためには何が必要か。
  日本の外交・安全保障の問題を、外交・国際政治・防衛のエキスパートが論じ尽した必読の論文集。
  続巻【論集】日本の安全保障と防衛政策

 

<目次>

はじめに(谷内正太郎) 立ち読み
第1章 国家、国益、価値と外交・安全保障(兼原信克)
第2章 新しいパワー・バランスと日本外交(兼原信克)
第3章 オバマ政権の核・通常兵器政策と「拡大抑止」(小川伸一)
第4章 日本における「核の傘」の歴史的形成過程(太田昌克)
第5章 北朝鮮の核問題をめぐる関係国の対応とその収支(秋田浩之)
第6章 米軍の再編と東アジア戦略(古本陽荘)
第7章 日豪安全保障パートナーシップの進展(寺田貴)
第8章 ミサイル防衛と宇宙の利用(金田秀昭)
第9章 日中関係の基本構造(村井友秀)
第10章 シーレーン防衛と「海洋協盟」の構築(金田秀昭)
第11章 憲法九条と国際法(村瀬信也)
第12章 安全保障の政治経済学(吉崎達彦)
第13章 総括座談会「総合的日米安全保障協力に向けて」(秋田浩之 金田秀昭 谷口智彦 谷内正太郎)
あとがき(谷内正太郎)

著者プロフィール
谷内 正太郎 (やち しょうたろう)

早稲田大学日米研究機構日米研究所客員教授。東京大学卒業後、同大学にて修士号取得。外務省入省後、総合外交政策局長、内閣官房副長官補、外務事務次官等を歴任。専門分野:国際関係論、国際安全保障論、国際政治理論。

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