明治43年4月15日、岩国沖で訓練航行中の第六潜水艇が沈没し、艇長以下14名の乗組員が絶命した。その最中、佐久間艇長が第六潜水艇内で書いた「遺書」。そこには、最期まで持ち場を離れずに沈着に職務を全うする13名の乗組員たちへの気遣い、そして極限状態に最期まで真剣に対処した姿がしたためられていた。そして、その遺書は国内外に大きな反響を呼んだ。
佐久間艇長とはいかなる人物だったのだろうか――。佐久間艇長の姿を通して、日本人が生来持っている精神の強さや誇り、リーダーとしての在り方を改めて感じることができる。
また本書は、遺書の全文をはじめ第六潜水艇遭難顚末説明図、第六潜水艇殉難者一覧、追悼文など、資料としても価値ある一冊。