願いは、安全・安定輸送。 台湾にとってベストな高速鉄道のため 奮戦したエンジニアの8年間
1997年に優先交渉権をえた欧州連合(ユーロトレイン)と、2年後、「敗者復活戦」で機電システムの優先交渉権を獲得した日本連合。どちらの鉄道がより台湾にふさわしいシステムなのかをめぐり、技術力はもちろん知力、政治力、交渉力など、もてる力をすべて振りしぼっての「知的格闘技」がはじまった。開業予定は2005年10月。そしてなにより一番大切なのは、安全で安定輸送が可能な高速鉄道を開業させること。さあ、この勝負、どうなる?
鉄道エンジニア。工学博士。1939年広島県呉市生まれ。1963年東京大学工学部卒業。同年、日本国有鉄道に入社。東京第一工事局次長、構造物設計事務所次長を経て1984年国連ESCAP運輸通信観光部鉄道課長。帰国後、東海旅客鉄道株式会社取締役関連事業本部長、専務取締役新幹線鉄道事業本部長、代表取締役副社長を歴任。2002年より台湾高速鉄道プロジェクトを技術指導。2010年より非常勤顧問。