新聞の花柳演芸欄の記者も勤めた平山蘆江が描く明治人たちの彩色絵巻
梨園の花――菊五郎、団十郎、羽左衛門、花柳界の名妓――ぽんた、照葉、萬龍に清香。抱月、須磨子に伊藤博文、頭山満……、世間をにぎわした個性ゆたかな人々が織りなす色と欲、そして人情の明治風俗彩色絵巻。 都新聞の花柳演芸記者を勤め、長唄、清元、娘義太夫、端唄小唄、浪曲等々、演芸全般に通じ「明治大正昭和へかけて懐かしの東京を知るは今や平山蘆江唯一人」と謳われた粹人の粹で乙で無類に愉しいゴシップ噺が満載。
小説家・随筆家。本名は壮太郎。1882(明治15)年、神戸生れ。1953(昭和28)年没。実父の死後、長崎の酒店平山家に引き取られる。東京府立四中を中退。日露戦争中に満州に渡り放浪。帰国後、都新聞・読売新聞の花柳演芸欄を担当する。著書に『きもの帖』『三味線芸談』(各住吉書店)、『蘆江怪談集』『東京四季』(各岡倉書房)、『ひだり褄』(一聯社)、『西南戦争』(至玄社)他多数。