ラザフォード・オルコックは、アヘン戦争直後から四半世紀の長きにわたって中国と日本に駐在した外交官です。日本を論じた『大君の都』の著者としておなじみであるがゆえ、帝国主義的・ジャポニズム的な関心で取り上げられてきましたが、彼のキャリアが中国を中心としていたことや、そこでの事績は、日本人には意外に知られていません。
本書では、オルコックの生涯をたどることで、日中の開国史をひもといていきます。それは、幕末の日本を知るためにも、東アジアの近代を知るためにも、大英帝国の建設を知るためにも、さらには19世紀の世界を知り、現代を理解するためにも、欠かすことのできない歴史です