機械に意思と感情はあるか?
細胞のカタマリに、なぜ人間は動かされるのか?
脳を知るために脳を創る、科学のあくなき挑戦!
近年、生理学や解剖学の分野では、脳の研究が飛躍的に進んだ。
しかし、これで脳のすべてがわかったと思うのはまちがいである。脳の具体的な働きを再現するようなコンピュータやロボットがつくれなければ、脳全体をわかったことにはならないのだ。
ではいったい脳の謎はどこまで解明され、何がわかっていないのだろうか。
「脳を創ろう」としているカオス工学の第一人者が、最新の研究からレポートする。
その他に、養老孟司(解剖学)、甘利俊一(数理工学)らの論考を収め、「ヒトを人間にしているもの」としての脳を多角的に捉えるほか、伊藤正男(脳神経生理学)と松井孝典(宇宙物理学)を迎えて、脳はどこまで「機械」なのか、そして「こころ」はどこから生まれて来るのかをディスカッションし、人間存在の本質を問うていく。