世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年7月6日

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 5月30日付のProject Syndicateのサイトで、元米国務次官補のクリストファー・ヒルが、米国のイラン不信の根深さを指摘しつつ、イラン国民はロウハニ大統領の改革を支持していくべきだと述べています。主要点は次の通りです。

(iStock.com/imannaggia/ Arseniy45/3D_generator/Anton Novikov)

 トランプのサウジ訪問を通じてトランプの外交政策の方向性が見えてきた。トランプ政権は民主主義について説教することはせず、人権は重視しない考えである。トランプ政権にとって経済相手となる国が人権を守っているかどうかは無関係なことのようだ。

 ニュースになったことはトランプがスンニ・アラブ諸国との全面的な協力を打ち出したことである。リヤドでの演説でトランプはイランを厳しく非難した。イランが中東のすべての問題の根源であると考えるスンニの指導者達は演説を歓迎した。

 トランプはイスラエルでもイランへの警告を続けた。トランプはイスラエルとスンニ・アラブはイランとの道徳的対決の同盟者であり、パレスチナ問題などで対立するよりも団結すべきだと考えている。

 イランは改革派のロウハニを大統領に選んだ。強硬派、反西欧のライシが選出されていたならば、イラン核合意の行方が問題になったであろう。75%強の投票率はイラン国民が核合意を支持していることを示している。制裁解除の利益が未だ現実のものとなっていない等の問題はあるが、国民は引き続きロウハニを信頼している。改革が進むかどうかはイランの国民次第だが、スンニ・アラブや米国は懐疑的だ。

 1979年に米国大使館を占拠し米国外交官を444日間人質に取った事件について、イランは一切謝罪していない。米国はこれを決して許していない。また2003年のイラク戦争の後、シーア勢力はイランからの財政、軍事上の支援を得て米軍への攻撃を続けた。イラン革命防衛隊の特殊部隊は宗教指導者の指示の下にイラクの民兵を支援した。イランはイラクでの米軍攻撃につき関与を認めていない。マティスなど米軍指導者のイラン観はこの時代の経験に基づいている。

 アフマディネジャド前大統領はイスラエルの生存権を認めないばかりか、ホロコーストは嘘だったと公言していた。イランは最近ではシリアのアサドを支え続け、レバノンのヒズボラを支援している。

 トランプ政権は、結局イランとの核合意は直ぐには変えられないとの結論に達した。しかし米議会はイランのシリアやヒズボラ支援を罰するために追加制裁を検討している。多くの米政策決定者は人質問題やシリアへの関与などの苦い経験を許さず、忘れてもいない。

 イランの将来を決めるのはイラン国民だ。今後はロウハニの改革を支持していくべきだ。改革が維持され、核合意を強硬派から守ることができれば、イランは国際社会の通常のメンバーになることができるだろう。

出 典:Christopher R. Hill ‘A Turning Point for Iran?’ (Project Syndicate, May 30, 2017)
https://www.project-syndicate.org/commentary/iran-rouhani-reelection-reforms-by-christopher-r-hill-2017-05

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