田部康喜のTV読本

2017年9月6日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 NHK土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」(毎週夜20時15分)は、日本の高度成長経済の時代をかけぬけた植木等(山本耕史)と、メンバーだった「ハナ肇とクレージーキャッツ」らの群像劇である。植木の付き人となった博多出身の松崎雅臣(のちの小松政夫・志尊淳)の師弟愛が縦糸となって、ドラマは展開していく。

(iStock/DAJ)

映画とバラエティ番組の再現が、
ドラマの見どころ

 植木等の代表作といえば、東宝映画の「無責任男シリーズ」である。ドラマ第1回「誕生 スーダラ節」(9月2日)の冒頭は、シリーズ第1作「ニッポン無責任時代」(1962年、古沢憲吾監督)が大ヒットし、映画館の入り口に観客が殺到するシーンを、植木(山本)とハナ肇(山内圭哉)が信じられないような表情を浮かべてみている。

 「お呼びでない?……これまた失礼いたしました!」の植木の代表的なギャグが生まれたのは、「シャボ玉ホリデー」(第1期・1961年6月~1972年10月)である。

 この映画とバラエティ番組の再現が、ドラマの見どころである。リアルタイムで知っているシニアには懐かしいシーンの連続であり、観たことがない若者にとっては高度経済成長時代の植木の作品群がいかに優れていたかを知る機会となるだろう。

 「ニッポン無責任時代」の監督である古沢憲吾は、植木に対して大げさな手振りで踊りながら歌う演出を徹底する。「客間で踊りながら歌うヤツがいるかよ?」と植木(山本)もあきれ顔である。

 日本テレビの「シャボン玉ホリデー」は、筆者にとっても小学生時代の懐かしいテレビの番組のひとつである。音楽とコントは都会の匂いがするものだった。エンディングの「スターダスト」は、ザ・ピーナッツの歌声とともに、いまも耳に残る。

 ドラマの再現コント。クレージーキャッツが「ボルガの舟歌」を歌い、植木(山本)も最初は合わせているのだったが、途中で「よいとまけの歌」に変わる。

 そして、得意のギャグである。「お呼びでない?……これまた失礼いたしました!」

 どっと、コケるクレージーのメンバー。

 「シャボン玉ホリデー」は、コントに加わる女性歌手たちがバラエティの花だった。

 ドラマは、第2回以降でそれらの歌手に若手が挑む。

 園まり役に山本彩、伊東ゆかり役に中川翔子、奥村チヨ役に鈴木愛理である。NMB48のメンバーでシンガーソングライターの山本彩が注目である。園まりの、つやぽっさは、山本に似つかわしい。

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