赤坂英一の野球丸

2017年9月13日

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9点差のリードを引っ繰り返された後の言葉

 「試合で打席に立ち、どんな投手のどんな球をどう打つのか、その感覚は選手しかわからないし、判断できない。だから選手には失敗を恐れず、自分を信じて打ってほしい。おれだってものすごい数の失敗をしたんだから」

 そう語る石井が、今季最初の危機と感じたのが5月6日、9点リードを引っ繰り返され、9-12で敗れた阪神戦だ。このあと、石井は選手たちにこんなゲキを飛ばしたという。

 「阪神から見れば、あれが優勝するチームの勝ち方だと言われるだろう。そういう見方をしているマスコミもある。ウチがここから、そういう雰囲気を引っ繰り返すんだ。あの大逆転負けが大きなきっかけになって優勝までいったと、そう言われるようにしよう!」

 懸命に選手を鼓舞する石井を指して、4歳年上の外野守備走塁コーチ、河田雄祐は常々こう言っている。

 「琢ちゃんは鬼コーチですよ、野球の鬼!」

 その河田に、「鬼はそっちでしょう!」と言い返して石井は笑う。確かに、外野手たちにノックをしながら「前へ出ろ、前へ!」と目尻を吊り上げて叫ぶ河田の顔は鬼そのものだ。絵心のある石井は、そんな河田の似顔絵をミーティング室のホワイトボードに描き、彼の口癖を吹き出しにして書き添えた。

 「いいか! 意思あるところに結果あり! 結果あるところに勝利あり! 頑張れ!!」

⇒(この項、明日に続く)

  
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