韓国の「読み方」

2017年9月13日

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礒﨑敦仁 (いそざき・あつひと)

慶應義塾大学准教授

1975年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部中退。在学中、上海師範大学で中国語を学ぶ。慶應義塾大学大学院修士課程修了後、ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省専門分析員、警察大学校専門講師、東京大学非常勤講師、ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロウ・ウィルソンセンター客員研究員を歴任。慶應義塾大学専任講師を経て2015年から現職。共編に『北朝鮮と人間の安全保障』(慶應義塾大学出版会、2009年)など。

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澤田克己 (さわだ・かつみ)

毎日新聞記者、前ソウル支局長

1967年埼玉県生まれ。慶応義塾大法学部卒、91年毎日新聞入社。99~04年ソウル、05~09年ジュネーブに勤務し、11~15年ソウル支局。15年5月から論説委員。著書に『「脱日」する韓国』(06年、ユビキタスタジオ)、『韓国「反日」の真相』(15年、文春新書、アジア・太平洋賞特別賞)、訳書に『天国の国境を越える』(13年、東洋経済新報社)。礒﨑敦仁慶応義塾大准教授との共著『LIVE講義 北朝鮮入門』(10年、東洋経済新報社)を大幅に改訂した『新版 北朝鮮入門』(東洋経済新報社)を17年1月に刊行予定。

餓死者出した「苦難の行軍」に並べて団結を要求

 このような論調は頻繁に見られる。金正恩体制は、核・ミサイル開発は抑止力確保のために必須だと考えている。北朝鮮の外務省は今回の制裁決議採択に対しても「われわれは米国と実質的な均衡を作り上げて、自主権と生存権を守る」という「報道」を発表した(9月13日)。米国に対抗するために核・ミサイル開発を進めているのであり、制裁を受けても変わらないという宣言だ。

 ソ連・東欧社会主義体制の崩壊によって、1990年代の北朝鮮は未曽有のエネルギー難、食糧難に陥った。そのような「苦難の行軍」に打ち勝った金正日国防委員長の「業績」と並列する形で、制裁下の金正恩体制で団結を求める論調も目立つ。「そのお方(金正恩委員長)と一緒であれば、試練も栄光であり、死も幸福」であり、「打ち勝った苦難の強度と、越えてきた峠の高さがその人民の上がって立つ勝利の大きさと高さを決定するもの」と考えるのが北朝鮮なのである。残念ながら、「(強力な制裁をかけられて)草を食べることになっても開発を続けるだろう」というプーチン露大統領の見通しは正しいのだろう。

 『新版 北朝鮮入門』(東洋経済新報社、2017年1月)に収録できなかった最新の決議を含め、これまでの制裁決議についてまとめた。北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける動機や北朝鮮の現状などについては同書を参照していただきたい。

●国連安保理決議1718(2006年10月14日)
対象となった北朝鮮の行動:第1回核実験(2006年10月9日)
主な内容:(1)核・ミサイル関連物資等の禁輸(2)核・ミサイル開発に関与した個人・組織の海外資産凍結・渡航禁止
日本の独自対応:(1)北朝鮮籍船舶の入港禁止(2)北朝鮮籍者の原則入国禁止(3)北朝鮮からの輸入全面禁止

●国連安保理決議1874(2009年6月12日)
対象となった北朝鮮の行動:第2回核実験(2009年5月25日)
主な内容:(1)北朝鮮からの武器輸出を全面禁止(2)北朝鮮に関連する貨物への検査強化
日本の独自対応:北朝鮮への輸出全面禁止

●国連安保理決議2087(2013年1月22日)
対象となった北朝鮮の行動:テポドン2改良型発射(2012年12月12日)
北朝鮮側主張:地球観測衛星「光明星3」2号機を搭載した「銀河3」の打ち上げ
主な内容:(1)資産凍結などの制裁対象を拡大(2)北朝鮮の金融機関による活動を監視するよう各国に要請

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