連載第4回目はスキーリゾート、ゴルフ場、キャンプ場、自然学校、ホテルなどの再生を行うリゾート施設運営会社のマックアース。昨今、スキーやゴルフなどのスポーツを海外でやってみたいという中国人が増えているが、現場ではどのような需要があるのか。同社の執行役員・CEO室長の王芳氏に話を聞いた。
――全国各地にあらゆる業態のリゾート施設があるのですね。
王氏:主な施設はスキー場、ゴルフ場、キャンプ場、自然学校、ホテルなどで、弊社が買収し、傘下となったところと地元自治体から指定管理者として受託しているところが中心です。スキー場は26か所、グリーンリゾートは11か所、ゴルフ場は8か所、キャンプ場は4か所、ホテルは27か所ほどあります(2017年9月1日現在)。
具体的には上級者向けの神立高原スキー場(新潟県)、日本一のファミリーパークを持つ黒姫高原スノーパーク(長野県)、スキーツアーコースができる鷲ヶ岳スキー場(岐阜県)、京都や琵琶湖の観光に便利な箱館山スキー場(滋賀県)、札幌や小樽観光に便利なスノークルーズオーンズ(北海道)など、全国各地に夏も冬も楽しめる、さまざまな施設を有しています。顧客は主に日本人ですが、最近は中国からの観光客も増えてきました。
――上海の友人が中国の東北部でスキーをした話を聞いたことがあるのですが、中国でもスキーはするのですね。
王氏:そうですね。東北部のハルピンや北京、新疆ウイグル自治区などでは雪が降りますので、スキー場がありますが、まだハード、ソフトの両面が整ったスキー場は少ないです。ハード面は急速によくなってきているのですが、ソフト面ではオペレーションの効率が悪いなど、問題点もあるようです。また中国のスキー場は大部分が機械による人工降雪に頼っており、雪質が硬いという特徴があります。
――そこで、わざわざ日本にスキーにやってくる中国人も増えてきていると……。
王氏:昨年(2016年)くらいから急速に増えてきました。弊社の中国での宣伝効果もあると思いますが、モノ消費からコト消費へと移行し、スキーを“体験”してみたいという中国人が現れ始めました。ヨーロッパに行く人もいますが、日本の場合、距離的に近い上に、日本の雪はパウダースノーといって雪質が非常にいい。スキー場の近くには温泉があることが多く、スキーと温泉、スキーとおいしい料理など、一石二鳥で楽しめるところが多いのが日本のスキー場の魅力だと思います。
――中国でのスキーの特徴というのはあるのですか?
王氏:中国にはスキー場があるといっても、スキー人口はやっと1000万人を超えた程度で、多いとはいえません。スキーが好きだという人でも、1年に1度か2度しか行かない人がほとんどで、多くの人が初心者の段階にあるというのが特徴です。当然、スキーを指導するインストラクターのレベルもまだ高くはなく、中国にはスキー検定もありません。スキーウエアなどに凝る人はいますし、施設も新しく、急速によくなってきているのですが、1回あたりの価格は安いとはいえません。メンテナンスのやり方であるとか、オペレーションに関しては、まだまだ経験不足という面が否めないと思います。