家電口論

2017年11月29日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

 ベルリンで行われた世界最大の家電見本市「IFA2017」で一番残念だったのは韓サムスン。あのサムスン。IFAでも目立つ上に、アクセスしやすい所に、毎年ブースを構え、大盛況。特にテレビへの人だかりはスゴい。ところが今年は勝手が違っていた……。

The Frame と名付けられたサムスンの展示。どんな名画も16:9。しかも額縁がない。美術館に足を運ぶ人には、違和感がある。

「解像度」の次のテレビ技術

 現在のテレビはデジタル技術の組み合わせでできている。全てではないが、基礎となる技術は確立された時点で、規格化され、全メーカーがそれに従う形が一般的。デジタル機器では、どのメーカーも基本性能が似るのは、それが理由だ。

テレビの場合、画質は大きく5つの要素から成り立つ。「解像度」は画像を構成するピクセル数を示す。ピクセル数が多い方が高画質。次は「ビット深度」。1画素が再現できる色の数を示す。多い方が高画質。「フレームレート」。1秒間に使う「コマ(フレーム)数」を示す。多いと動きが滑らかになる。(カクカクしない)「色域」。人間が認識できる色の内、どの部分を再現するか、その範囲。これも範囲が広い方が高画質。そして「輝度」。どの位明るいか。これも範囲が広いと高画質。

 デジタルは、これらの情報を全て、2進法の数値、「0」「1」で表す。要するにはスィッチの「ON」、「OFF」という極めて単純な動作にすることができる。だからこそ、ネット回線で電送できるわけだ。ネットの基本でもある。逆に言うと、今の情報化社会は、デジタル技術抜きには形成できない。

 そして、この情報を処理するのがCPU。パソコンの頭脳でもある。CPUは年々高性能に、情報の処理能力を上げている。よくアポロ11号を月に飛ばした大コンピューターは、今の数万円のPCに負けると言われるが、技術の進歩とはそんなものだ。

 さて、皆さんが一番馴染みのあるテレビ技術(規格)はと問うと、返ってくる答えは、当然「解像度」だと思う。「2K」「4K」は元々マニアが使う言葉だったのが、今や誰もが使う。

 先ほど、画質は5つの規格から決まると書いたが、なぜ「解像度」だけメジャーになったのだろうか? 理由は、一番初めに決めなければならないからだ。解像度が決まって初めて、何色が必要か、色数が決まる。解像度が低いと微妙な色は解らないので、少ない色数で済むのだ。解像度はCPUの制約も受けている。処理能力が不十分だと、4Kは2Kの4倍の情報量を処理できないからだ。

 その意味では、2K放送(ハイビジョン放送)は、良いタイミングで切替したと言える。デジタル放送の標準として、ほぼベストのタイミングだった様に思う。地上波が2Kになったことで、「デジタル放送映像」の基本は、2Kとなった。

 しかし2Kと4Kだと、先ほど書いたように、解像度だけでなく、再現する色数も違ってくる。理想のテレビ=肉眼で見た通りとなると、8Kと16Kの間にあると言われる肉眼の解像度を目指すことになる。それを理想とするなら、テレビはまだまだやることがあるのだ。

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