世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年12月6日

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 この論説は、インドとモディ政権の抱える問題をよく描写しています。

 モディは、2014年首相に就任しましたが、その後、GDP成長率は2014年7.2%、2015年7.9%、2016年7.1%です。しかるに今年の第2四半期の成長率は年率換算、5.7%に落ちています。中国を凌駕し、最速で成長する大きな経済と言われてきましたが、失速してきています。DemonetisationやGST導入に伴う混乱が原因とされていますが、少なくとも部分的にはそうでしょう。

 ただインドの成長余力は、人口増加率が17%近くあり、十分にあります。Demonetisationにともなう混乱は一過性の問題ですし、GST導入に伴う混乱も克服可能のように思われます。モディ首相はグジャラート州の首相を3期務め、その経済を大きく成長させた実績もあります。モディの人気が急落し、彼の地元グジャラート州でも選挙に負けるというようなことになり、政治の安定が損なわれることが最大の危険ですが、インドの成長は引き続くと見ておいてよいのではないでしょうか。

 モディ首相は、グジャラート州の首相のころから日本を訪問するなど、親日です。安倍首相との関係もよいです。その上、経済については、規制を少なくする自由主義的な立場です。インドの規制過剰な社会主義的経済を変えていくのに最適な人です。外交においても、非同盟の旗は降ろさないにしても、日米豪との関係を重視しています。日本にとり、モディ政権が継続することが望ましいです。

 ヒンドゥー至上主義がモディの欠点であると言われますが、首相としては、イスラムを含むインド国民全体の首相を標榜しており、これも、清廉潔白であることとともに評価に値します。

  
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