世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年11月27日

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 米外交問題評議会シニアフェローのAlyssa Ayresが、フォーリン・アフェアーズ誌11-12月号への投稿論文で、インドは経済的、軍事的に世界の主要プレイヤーになりつつあり、米国はそのようなインドを受け入れるべきである、と述べています。論文の要旨は以下の通りです。

(iStock.com/NycyaNestling/OlgaLebedeva)

 インドはこれまで世界の主要プレイヤーとは考えられていなかったが、今、モディ首相の下、世界で中心的な地位を求める「指導的国家」になりつつある。

 インドの変貌の中心は経済である。インド経済は2029年には、中国、米国に次ぐ世界3位となるだろう。人口は2024年に中国を抜いて世界一になるだろう。

 労働人口は2050年まで増え続けるだろう。2050年に労働人口の中央値は、日本53歳、中国50歳、西欧47歳に対し、インドは37歳と若い。

 インドの中産階級は2025年には約6億人となり、大きな市場を提供する。

 経済力の増大は軍事力の増大につながる。インドの軍事支出は2016年ですでに世界の第5位で、過去5年間軍事装備品の輸入で世界一であった。同時に自前の先端防衛技術も発展しており、現在自国産の空母2隻目を建造中である。

 インドは最近外交的主導権を取るようになっている。気候変動では2015年のパリ会議で、世界の太陽光発電同盟の本部をインドに招致した。

 安全保障面では、中国に対抗して、インド洋で主導権を発揮している。

 国際機関、組織については、国連安保理の常任理事国入りなどに努める傍ら、BRICSの新開発銀行での融資を始め、上海協力機構に参加した。

 インドが非同盟の伝統に基づく、世界での受け身の姿勢を変えるのに対応して、米国もインド政策を変えるべきである。

 台頭するインドと協力することは常に容易とは限らない。インドは何よりも政策の独立性を重視し、正式の同盟は拒否し、過去の通商交渉が示すように、世界の共通の見解に背くこともある。

 緊密な防衛のパートナーになり得るが、米国の同盟国のようにはならない。

 貿易、経済関係の改善は望むが、米国が欲するような市場開放には容易には応じない。

 米国政府は昨年インドを「主要な防衛のパートナー」と指定したが、これはインドが米国の正式な同盟国ではなく「自然な同盟国」となることを希望していることを反映している。米国はインドがイラン政策やロシアとの関係で立場を異にすることを受け入れ、共通の利益を追求すべきである。

 米国はインドの国連安保理常任理事国入りを引き続き支持する傍ら、インドがOECD、IEA、APECといった政策決定にかかわる国際機関、組織に加盟するよう働きかけるべきである。またインドをG7に加えることも検討すべきである。

 モディ首相、シン前首相は、世界の舞台で「我々の時が来た」と確信している。

 米国はそのようなインドを受け入れるべきである。

出典:Alyssa Ayres ‘Will India Start Acting Like a Global Power?’ (Foreign Affairs, November/December, 2017, pp.83-92)
https://www.foreignaffairs.com/articles/india/2017-10-16/will-india-start-acting-global-power

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