世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年1月16日

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 AIは軍事面で戦争を一変させ得る最先端技術ですが、上記論説は、中国はすでにAI大国で、米国はAI大国中国の挑戦に備えるべきであるとの警告です。

 米国はこれまで技術力で軍事的優位を保ってきました。戦後最初は核戦略で、1970年代半ばにソ連に追いつかれると、精密誘導ミサイル、偵察衛星、ステルス戦闘機などを開発しました。このような技術でもロシア、中国に急速に追い上げられた今、米国は第三の相殺戦略として無人ステルス戦闘機、小型ドローン、無人潜水艇、電磁レールガン、レーザーガン等の開発に力を入れています。

 その中にあって中国がAIで米国の後を追うのではなく、急速に米国と同列の競争者になりつつあるといいます。

 AIはドローンを群れのように同時に運用する構想や、ミサイル防衛での迎撃の判断、戦場での指揮の一部の代替など、軍事面で多岐にわたる応用が考えられ、将来の戦争の性格を一変させ得るものであり、その中での中国の台頭の意味は大きいものがあります。

 さらに中国がAIのみならず、「第三の相殺戦略」の他の技術でも米国を急速に追い上げ、米国と肩を並べるほどの進歩を遂げている可能性もあります。

 米国の技術開発能力は世界に冠たるものですが、中国の技術開発力も侮れません。

 米国は技術優位を維持すべく、あらゆる努力をするでしょうが、論説は米国の技術優位が保証されない将来に備えるべきであると述べています。技術優位が保証されないということは軍事的優位が保証されないことに繋がり得ます。

 もしかりに米国の中国に対する軍事的優位が保証されないような事態になるとすれば、その国際政治上の影響は甚大でありえます。我々は果たしてそのような事態が到来するのか、もし到来するとしたらそれは何を意味するのか、日本にとってどういう意味を持つのかを十分フォローし検討する必要があります。

  
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