世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年2月27日

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 米外交評議会シニアフェローのブラックウィルとゴードンが連名で「ロシア封じ込め――再び」と題する論文を書き、Foreign AffairsウェブサイトのSnapshot欄に1月18日付けで掲載されています。要旨は次の通りです。

(iStock.com/bernie_photo/WaffOzzy/FARBAI/Farinosa/bigjom)

 ロシアは、米大統領選に工作をし、ウクライナ、シリア等で、米国に対する地政学的挑戦を強め、軍備を増強して東欧諸国を脅かし、同諸国の内政に干渉するなどしている。

 このようなロシアに対しては、新たな強い措置が必要である。米国を攻撃したことに対して、ロシアに罰を与えなければならない。しかし、トランプは、奇妙なほど、ロシア、そして特にプーチンへの親しみを見せている。

 このままでは、米国に敵対する他の国々が、米国を侮って攻撃しやすくなる。米国はロシアに攻撃の代価を思い知らせて将来の攻撃を防ぐとともに、ロシアに脅かされている欧州の同盟諸国に対する防衛約束を強化せねばならない。

 欧州のパートナー達と協調して、選挙に介入したロシアの官僚と機関の在米資産を凍結し、査証供与を停止しなければならない。米財務省は、制裁対象になり得る官僚、事業家等のリストを議会に提出し、それでもロシアの策動が続くようなら、米政府は狙いを定めた制裁を課すべきである。

 サイバー面での防護措置を強化すべきである。選挙資金規制に関わる法律でSNSでの広告を規制し、主要SNSは自身のネットワークに米世論工作を目的とした記事、広告が出ていないかどうか自主的に監視すべきである。

 NATOでの協力を拡充すべきである。現在の米軍6万名駐留を堅持し、さらに、ポーランド、バルト諸国におけるプレゼンスを旅団・大隊規模で増強すべきである。

 ロシアの国防、鉱業、エネルギー資源部門をターゲットとして、西側の資金と技術へのロシアのアクセスをもっと絞る。これら部門での、既存案件への投資は破棄し、同盟国がロシアと軍事物資の売買を行わないよう圧力をかけるべきである。ウクライナをもう少し軍事支援して、東ウクライナ占領の代価をロシアにもっと払わせる。

 欧州のエネルギー面での対ロ依存を減ずるため、米国は原油・ガスの輸出規制を撤廃し、ロシア領を回避するルート(トルクメニスタンからアゼルバイジャン、トルコを経由して欧州に至る等)でのパイプラインの建設を促進すべきである。ロシアとドイツを結ぶノルドストリーム第2号の天然ガス・パイプラインについては、別の供給源を探させる。

 これら措置が新冷戦を思わせるのであれば、そう思ってもらって構わない。ロシアは、予見し得る将来において、パートナーとは成り得ないことを自ら示した。トランプ大統領が自身で発表した国家安全保障戦略は、「ロシアは米国の力、影響力、そして利益に挑戦している」と結んでいる。米政府はこの挑戦に対して立ち上がらなければならない。

出典:Robert D. Blackwill & Philip H. Gordon,‘Containing Russia, Again’(Foreign Affairs, January 18, 2018)
https://www.foreignaffairs.com/articles/russian-federation/2018-01-18/containing-russia-again

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