世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年5月10日

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 トランプ政権初の国賓としてフランスのマクロン大統領が米国を訪問した。米仏首脳会談の他、4月25日には、米国上下両院合同会議で、マクロン大統領が演説を行った。約50分にわたる演説のうち、トランプ大統領が批判をしている「イラン合意」に関する部分を中心に、紹介する。

(iStock.com/taviphoto/Lindsey Dougherty/light101010/Ganna Galata)

 ・テロの脅威は、それが核拡散と結びつくと、より危険になる。したがって、我々は、核兵器を保有しようとする諸国には、より厳しい態度でいなければならない。

 ・だから、フランスは、米国が北朝鮮に対して制裁と交渉を通して、朝鮮半島の非核化に向かわせる努力を完全に支持する。

 ・イランに関しては、我々の目標は明確である。イランには、決して核兵器を持たせてはならない。現在も、5年後も、10年後も、そして永遠に。

 ・この政策で中東に戦争が起きることがあってはならない。我々は、安定を確保し国家の主権を尊重しなければならない。偉大な文明をもつイランに対してもそうである。

 ・イランの核開発を監視するには既存の枠組みとしてJCPOA(米仏英独露中6か国で取り決めた包括的合同作業計画)がある。米国の主導で我々は署名した。だから、簡単に破棄するとは言えない。しかし、この合意が重要な懸念を網羅していないのも事実である。しかし、この合意に替わる実質的なものがないままで、これを放棄するわけにはいかない。それがフランスの立場だ。

 ・この問題に関して、この数日、数週間で、トランプ大統領及び米国が責任を果たして下さることを期待する。

 ・私とトランプ大統領は、全ての懸案事項を網羅したより包括的な取引に協力することで合意した。昨日の首脳会談では、4つの柱について議論した。既存の合意内容、2025年以降のイランの核開発、中東におけるイランの軍事的影響及びイランの弾道ミサイルの監視についてである。

 ・我々は、この4本柱について、新たな包括的枠組を目指して協議し始めなければならない。米国の決断がどうあろうと、我々は、ルール欠如の状況を作り出してはいけない。中東に力の対立を生み出してはならないし、緊張と戦争の可能性に、我々をおいてはならない。

 ・4本柱の一つ、イランの軍事的影響の封じ込めについては、イエメン、レバノン、イラク及びシリアにおいて必要である。

 ・シリアについて、我々は非常に緊密に連携している。2週間前、アサド政権が国民に対して使用禁止の兵器を使った時、米国とフランスは、英国とともに、化学施設を破壊し、国際社会の信用を回復した。

 ・この行動の他にも、我々は、現場で短期的には人道的解決で協力し、また、この悲劇的対立に終止符を打つため政治的解決に貢献している。私とトランプ大統領は、この中東全体の問題にシリアを含め、ISとの闘い後も、シリアやシリア人のための政治的道筋を描くことに協力することを決意した。

出典: ‘Transcription du discours du President de la Republique, Emmanuel Macron, devant le congres des Etats-Unis d’Amerique’
ww.elysee.fr/declarations/article/transcription-du-discours-du-president-de-la-republique-emmanuel-macron-devant-le-congres-des-etats-unis-d-amerique/

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