ネット炎上のかけらを拾いに

2018年5月3日

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(iStock/CalypsoArt)

 毒舌漫画家が批判前提でやるのならまだわかる。大手企業が顧客層に向けてやる意味。これがわからない。

なぜ自社の顧客をディスるのか

 キリンビバレッジのツイッター上でのプロモーションが炎上した。炎上したのは、4月26日に投稿されたツイートで、「4月は出会いの季節!ですが、みなさん新生活には慣れましたか!? みなさんの周りにいそうな#午後ティー女子をイラストレーターの○○さんに、描いてもらっちゃいました!確かに、私の周りにもいる…かも!? #いると思ったらRT #私だと思ったらFav #午後の紅茶」(○○はイラストレーターの名前)というもの。

 このツイートには、「モデル気取り自尊心高め女子」「ロリもどき自己愛沼女子」「仕切りたがり空回り女子」「ともだち依存系女子」の4タイプの女性のイラストが添えられ、イラストにはそれぞれの「女子」の特徴が細かく書き込まれている。たとえば、「仕切りたがり空回り女子」は「女子っぽい格好するのにも言い訳が必要」「写真慣れしていないのでポーズが変」、「ともだち依存系女子」は、「ボキャブラリー貧困」「自分の意見はない」「目に入ったものはすべてにとりあえず「かわいい」」など。「部活」「バレー部」などの言葉が見られるので、恐らく主に女子中高生への訴求なのだろう。

 イラストの「女子」は、それぞれ無糖、ミルクティー、レモンティー、ストレートの4種類の午後の紅茶を持ち、洋服やバッグにさりげなく「No sugar」「milk tea」などの文字が入っている。それぞれの味にちなんだ「女子」ということなのだろう。

 筆者はこの炎上を知ったとき、キリンビバレッジではなく、ライバル社による逆プロモーションなのかと思った。欧米などでは、ライバル社に軽くパンチをかますような広告をたまに見かけるが、日本ではあまり見かけない。それだけに炎上しているのかと思った。つまり、「午後ティーを飲んでいると、こんな○○気取り女子になっちゃうよ」という意味の、ライバル社による広告かと思ったのだ。

 そしたらまあなんと。これが午後の紅茶が自社製品であるキリンビバレッジの公式ツイートであるという。たまげた。すでに他記事で指摘されていることではあるが、「自社の顧客を悪く描いて何が楽しいのか」である。

参考:『午後ティー女子』のイラストが炎上。キリンに対して「顧客を悪く描いて何が楽しいのか」の声(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/2018/04/30/kirin-gogotea_a_23424066/

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