中島恵の「中国最新トレンド事情」

2018年5月22日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)、『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』(プレジデント社)などがある。

中国の北京や上海を中心に、スマホの決済機能や専用アプリなどで支払いができる無人スーパーや無人コンビニが出現している。アリババやテンセントなどがネット(オンライン)とリアル店舗(オフライン)の融合を図る「新零售(新小売、ニューリテール)」を推進しており、その一環。無人店舗とはどのようなものだろうか。店舗に足を運んでみた。

アリババ集団の無人スーパー「盒馬鮮生(フーマーシエンシェン)」

大きな水槽が目を引く海鮮コーナー

 上海市西部。虹橋空港に程近い場所にあるアリババ集団の無人スーパー「盒馬鮮生(フーマーシエンシェン)」を訪れた。入り口は交差点付近にあってわかりやすかったが、店舗は地下にあった。入店の際、アプリの有無などのチェックはなく、普通のスーパーと同じように入ることができた。

 入り口に近い野菜や果物売り場から歩き始めたのだが、真っ先に目に留まったのは海鮮コーナーだった。大きな水槽に生きた蟹やエビなどが入れられており、それを自分ですくって、その場で調理してもらえる。すぐに食べられるイートインのコーナーも隣接していた。ほかにも、飲料や加工食品、菓子、お茶、肉類などが整然と陳列されている。中国のローカルスーパーと比べると、品揃えは洗練されているようだ。ハーブなどの植木鉢も売られていた。総菜や手作りのパンコーナーも充実していて、規模はかなり違うが、「コストコ」のようなイメージに近い、といえばわかりやすいだろうか。ちょっとオシャレな雰囲気も漂っている。もし家の近くにあったら便利だろうと思わせられるような、中規模のスーパーだった。

無人スーパーの海鮮コーナー。新鮮な食材をその場で調理してくれる

 多くの商品にはQRコードがついている。値札にも生産地などが書いてあるが、QRコードを読み取ると、より詳細な情報が入手できるようになっている。店舗にある商品はネットでも注文可能で、5キロ圏内に住む人ならば、30分以内に配送してくれる仕組み。先にネットで見て購入し、リアル店舗で再び購入することももちろん可能だ。店舗の天井には配送専用レーンが張り巡らされていて、注文が入ると、そこを通って商品が送られていくシステムになっている。

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