世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年6月15日

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 2018年5月31日、安倍晋三総理は、国賓として来日中のベトナムのチャン・ダイ・クアン主席と日越首脳会談を行い、その後、日越共同声明が発表された。42項目、約8頁にわたる様々な分野における日越協力を記した共同声明のうち、特に、安全保障分野に関する主要点を紹介する。

(iStock.com/WesAbrams/katatonia82/Anton Farrugia)

海洋国家、日本とベトナム

・両首脳は、日本とベトナムが海洋から非常に貴重な恩恵を受けている海洋国家で あることを認識しつつ、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持及び強化を通じて、地域において平和、安定及び繁栄を確保するために協力する決意を共有した。 

・両首脳は、日本国海上保安庁の船艇の寄港等を通じ、海洋安全保障協力を更に強化することを確認した。安倍総理は、ベトナムの海上法執行能力の向上のための支援を継続する日本の意図を表明した。クアン国家主席は、日本による中古及び新造巡視船の供与を高く評価した。安倍総理は、ベトナム側の具体的な要望を踏まえ、総合的な海洋政策についての日本の知見及び経験を共有する用意がある旨を表明した。 

・両首脳は、南シナ海における情勢に対して引き続き懸念を示した。両首脳は、 平和、安全保障、安全並びに航行及び上空飛行の自由の維持、自制及び法的・外交的プロセスの完全な尊重を通じた海洋における紛争の平和的解決、海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)を含む国際法の尊重、並びに南シナ海に関する行動宣言(DOC)全体の完全かつ実効的な履行の重要性を改めて表明した。両首脳はまた、非軍事化の重要性を強調し、現状を変更し、又は南シナ海における状況を複雑化させ得るいかなる一方的行動もとらないよう関係国に求めた。両首脳はまた、南シナ海行動規範(COC)に関する交渉の進展を認識し、包括的かつ実効的なCOCの重要性を強調した。両首脳は、地域の平和及び安定を確保するため、このような外交的取組がUNCLOSを含む国際法の完全な遵守及び平和で安定した南シナ海の実現につながる べきであるとの認識を共有した。 

「自由で開かれたインド太平洋戦略」

・安倍総理は、日本の「自由で開かれたインド太平洋戦略」につき説明した。両首脳は、インド太平洋地域及び世界における法の支配、平和、安定、協力及び繁栄を確保するため、国連憲章及び国際法の遵守並びに国家の独立及び主権の尊重に基礎付けられた自由で開かれた秩序の重要性を強調した。両首脳は、この目的に資する貢献及び取組を歓迎した。安倍総理は、日本がその外交政策においてベトナム及びASEANを重要なパートナーと考えていることを再確認し、協働していくためにベトナム及びASEANを支援していく日本の意図を新たにした。 

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