世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年7月30日

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 台湾の蔡英文総統は6月26日、フランス通信社AFPの取材を受け、台湾の直面する諸問題について語った。このインタビューの中で、蔡英文は最近の中台関係、中国の対外政策、台湾人意識などについて、これまで以上に踏み込んで明瞭な定義づけを行っている。まず、インタビューの中で特に注目される発言をごく一部を紹介する。

(3dfoto/tumdee/eurobanks/iStock)

・中国は最近、台湾海峡の現状に影響を与える、より攻撃的な行動をとるようになっている。そう感じているのは台湾人だけではない。中国の行動は、国際社会に、いかに中国が現状を変更しようとしているかを明確に印象付けている。

・中国による台湾の主権への挑戦において台湾のボトムラインの第一は、我々の民主主義と自由だ。第二に、台湾の主権は尊重されなければならない。第三に、台湾人は自らの将来を決定する権利を有しており、それは損なわれてはならない。

・我々は、民主主義、経済、国を守る能力、我々が大切にしている価値を強化し続けなければならない。これは台湾だけはなく、地域、そして世界全体にとっての課題だ。中国の影響力拡大に直面するのは、今日は台湾かもしれないが、明日は他の国かもしれない。我々は、中国を抑制し覇権的影響力の拡大を最小化するために、民主主義と自由の価値を再確認すべく協働する必要がある。

・中国の習近平国家主席との会談については、相互主義、尊重に基づき、政治的前提条件なしということであれば、台湾の総統として中国の指導者と会談する用意がある。

・過去数百年にわたり台湾は多くの課題と脅威を克服し、非常に強い民主主義と経済、それに安定した社会を構築した。全体として台湾人は、直面してきた課題のお陰で、明確なアイデンティティーを作り上げてきた。これは我々の共通の記憶だ。それが、台湾人が台湾人と認識されることを選ぶ理由だ。我々の共通の記憶、経験、価値が相まって、我々を台湾人たらしめている。

出典:‘President Tsai interviewed by AFP’, June 26, 2018, Office of the President Republic of China(Taiwan)
https://english.president.gov.tw/News/5436

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