今月の旅指南

2011年6月24日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 究極の美とは人間の身体。西洋における美の概念は、古代ギリシャにルーツを持つ、こうした発想を抜きには語れない。

 今回の展覧会では、世界有数のスケールを誇る大英博物館の中で、10万点を超えるギリシャ・ローマ部門の所蔵品から135点を紹介。彫像からレリーフ、陶器の壺に描かれた絵まで、モチーフは、ほぼ全てが「人間の身体」だ。

「円盤投げ(ディスコボロス)」
2世紀(原作:前450-前440年頃) 
大理石
©The Trustees of the British Museum

  会場では、全能の神ゼウスや超人ヘラクレスなど、ギリシャ神話でお馴染みの神々や英雄にまつわる彫像をはじめ、オリンピックの原点となったオリンピアの競技祭でのアスリートを描いた像や壺を展示。古代ギリシャの人々の暮らしや価値観に触れられる構成となっている。

 ハイライトは、日本初公開となる「円盤投げ(ディスコボロス)」の大理石像。鍛え抜かれた競技者の身体は、まさに今回の展示テーマを象徴している。

 古代ギリシャ芸術を代表するものとしてあまりに有名な像だが、これはローマ時代に作られた複製。紀元前5世紀半ばに彫刻家ミュロンによって作られたオリジナルのブロンズ像は現存しない。この像が時代を経ても受け継がれてきたのは、やはり究極の身体が持つ美しさ故なのだろう。

 

大英博物館 古代ギリシャ展─究極の身体、完全なる美
〈開催日〉2011年7月5日~9月25日
〈会場〉東京都台東区・国立西洋美術館(山手線上野駅下車)
〈問〉03(5777)8600
http://www.body2011.com/

◆ 「ひととき」2011年7月号より

 

 

 

 

   

 
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