定年バックパッカー海外放浪記

2018年12月2日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

(2017.11.4~2018.1.10) 68日間 総費用33万9000円〈航空券含む〉)

先進国から毎年20万人の若年労働者を受け入れる

メルボルン中心街の老舗ホテル

 皆さんは“ワーキングホリデー”(Working Holiday:通称「ワーホリ」)という制度をご存知であろうか。フツウの仕事をしているサラリーマンには縁遠い言葉ではないか。

 ワーホリとは主として先進国どうしが二国間協定を締結して、たがいに相手国の若者(一般に18歳以上30歳まで)に対して数年間(通常は1年間、延長して2年間)の就労可能なビザを発行する制度である。

 両国間の相互理解・親善交流促進を目的としている。協定相手国の若者が自国に長期滞在する場合に、資金不足をカバーするために滞在期間中の就労を許可するという趣旨である。

 オーストラリアは移民政策においては高度人材・専門職人材を選別して移住許可している(本編10回11回ご参照)。他方オーストラリアで恒常的に不足している労働力(未熟練労働者・単純労働者)を供給しているのがワーホリ制度である。

 その規模は毎年20万人くらいで推移しているようだ。ちなみに2013年には26万人にワーホリビザを発給している。毎年景気動向や産業界の要望を勘案しながら受入枠を調整している。

 オーストラリアは人口2500万人で日本の五分の一である。日本の経済規模に換算すると毎年100万人の若年労働者を受け入れることになる。

 日本の外国人労働者受入れ議論の参考にオーストラリアのワーホリ制度および留学生のアルバイトについて考えてみた。

クラレンス川の右岸と中州を繋ぐフェリーボート

オーストラリアのワーキングホリデーは世界各国のバックパッカーの憧れ

クラレンス川の広大な中州に水平線まで続くサトウキビ畑

 私は過去5年間世界各国を放浪してきたが、旅先で欧米や日韓の若者旅行者から散々聞かされてきたのが「夢のようなオーストラリアでのワーホリ体験」である。

 オーストラリアでは最低賃金が世界最高水準(2018年時点で18.29豪ドル≒1500円)。いわゆる3K職場の労働力は不足しており、農園で収穫作業などの単純労働をやれば1日約1万5000円から3万円にもなるという。半年で180万円相当を貯めたなんて武勇伝も何度か聞いた。

 延長すれば最長2年間稼ぎながら滞在できるので、ワーホリ天国としてオーストラリアは“海外旅行大好き的先進国若者”には絶対的人気となっている。

メルボルン市街のビクトリア朝時代の建物

どんな国の若者がオーストラリアに労働者として来ているのか?

 オーストラリアが現在ワーホリビザを発給している対象国は、豪州政府HPによると19カ国。欧州・米州ではベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリー、オランダ、ノルウェイ、スウェーデン、英国と先進国が並ぶ。比較的最近追加されたのがキプロス、エストニア、マルタ。

タスマニア島の小都市ロンセストンにある『ビクトリア女王博物館&美術館』

 アジアでは日本、韓国、台湾、香港だけである。尚、実際には中国人も年間5000人の枠で受け入れている。またニュージーランドの若者も別の制度で受け入れている。

 約20万人の中では英国・アイルランドがダントツで合わせて4万~5万人くらい。日本人はなんと毎年1万人超で第3位となっている。

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