WEDGE REPORT

2018年11月1日

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 「発車時刻になってもバスがこない」「目の前をバスが走っていくが、どこで乗ればいいのかわからない」「バスターミナルに着いたものの、系統が多すぎてどの停留所に行けばいいかわかりにくい」

 こうした路線バス利用者の不満を解消するための「IT革命」が、中小のバス事業者で起きている。10月初め、その先進地である岡山市に赴いた。

岡山の路線バスでは利便性を高める「IT革命」が起こっている(Wedge)

グーグルマップで
バスの遅れがわかる

 岡山駅に着き、日本三名園の一つである岡山後楽園に向かおうとグーグルマップで経路検索を行った。そこに表示されたのは、バスまたは路面電車を使って向かう経路。バスに乗ろうと岡山駅東口バスターミナルに向かうと、13カ所ある乗り場のうちの一つが明確に指定され、GPSの誘導で迷わずバスに乗車できた。

 岡山市内を走る路線バス事業者6社のうち5社は、バスの位置情報(通称バスロケ)などのリアルタイム情報をグーグルに送っており、それによって遅延情報がグーグルマップに表示される。県内のバス事業者がそろってこうした取り組みを行う例は全国にもほとんどない。 今度は後楽園を出た後、岡山市内から岡山駅に戻ろうと再度グーグルマップで経路を検索。すると付近の停留所が表示された。経路検索の結果には、案内されたバスが何分遅れているかと、それを反映した到着予想時刻も表示された。

 これまでも時刻表については「グーグルから申し出のあった事業者については、(経路検索サービス)ジョルダンから情報を提供して掲載されていた。しかし、リアルタイム情報の提供はしていなかった」(ジョルダン執行役員営業技術部長の長岡豪氏)。バスロケなどのリアルタイムの運行情報についても各社のサイトやアプリで見ることはできたが、経路検索サービスにはその情報が表示されなかった。

 それどころか2016年の国土交通省の調査によれば、車両台数が30両以上の事業者で11%、30両未満の事業者では79%が経路検索サービスにさえ掲載されていなかった。

 また時刻表が掲載されていても、ダイヤ改正直後には、経路検索事業者から利用者への情報提供にタイムラグが生じる問題がある。各経路検索事業者はダイヤ改正にあわせて各バス事業者から紙やエクセルファイルなど、バラバラのフォーマットでデータをもらい、入力作業を行う。そのため、「経路検索サービスに反映されるには、首都圏以外の事業者では1~2週間のタイムラグが発生する」(バス業界関係者)。

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