レノボもか――。カリフォルニアに本社を置く米電子機器テラ・イノベーションズ(Tela Innovations)社が12月19日、半導体リソグラフィ技術に関する特許権を侵害したとして、中国系PCメーカー大手レノボ(聯想)を米国国際貿易委員会(USITC)に提訴した。多言語メディア「The Epoch Time」(英字版)が12月23日付けで報じた。
悪い方向への「連想」
提訴されたのは、中国のレノボ・グループと米国ノースカロライナ州モリスビルにあるレノボ米国法人である。レノボの電子機器製品は中国で製造され、米国に輸出されたもので、テラ社が勝訴すれば、米1930年関税法337条違反として同社製品の米国での販売を一部禁止される可能性が出てくる。
ファーウェイの一件が孟晩舟副会長のカナダでの逮捕(現在保釈中)でこれから展開するところで、これもまた中国を代表する大手ハイテク企業が提訴されたのは、偶然なのだろうか。
レノボといえば、「Superfish」問題という「前歴」を抱えている。2015年2月26日付けの「Computerworld」に掲載された記事の一節(訴状の趣旨抜粋)を引用する――。
「被告のローカルプロキシは、非当事者であるKomodiaが販売する製品を被告が実装したバージョンである。Komodiaのこの製品は、『リダイレクター製品』(『Komodia Redirector』)として販売されている。被告は、Komodia Redirectorを利用して、ユーザーの本来の送信先とは異なる場所に『トラフィックをリダイレクト』させ、プロキシサービスへと導く。ユーザーが接続を行った時に、Komodia Redirectorは、個別の通信を『傍受すべきかどうか』を判断したうえで、通信を傍受し、その送信先をローカルプロキシに変更する」
通信の傍受。またもや、怪しいムード満載ではないか。今回の特許権係争と関連性があるかどうか分からないが、ファーウェイの一件で世間の空気がピリピリしたところでまたもやこういう話が舞い込むと、どうしても人間は悪い方向へ「連想」してしまうものである。