WEDGE REPORT

2019年1月17日

»著者プロフィール
閉じる

中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 『モーターシティー』で知られる米・デトロイトで毎年1月に開催されている北米国際自動車ショーが14日に開幕、報道陣に公開された。世界中から約5000人のメディアが集まり米国、欧州、中国、韓国、日本、インドなどの自動車メーカーが最新のモデルなど約750台が出展した。

スープラの新モデルをプレゼンする豊田章男社長

 100年の歴史がある北米自動車ショーは、かつては米国のGMやフォードなどが新型車を華やかに発表するのが目的の世界最大の自動車ショーだった。しかし、この数年は、中国の自動車市場が米国を追い抜いたこともあって入場者数が減少、欧州メーカーのBMWが北米自動車ショーへの出展を取り止めるなど、規模が縮小される傾向にあった。

 デトロイト以外の自動車ショーでは、中国市場をバックにした上海のショーが注目され、8日にラスベガスで開催された世界最大の技術見本市(CES)の方に自動運転や「空飛ぶ車」などで注目される次世代の最新技術が多く展示され関係者の関心を集めた。その直後に開かれる北米自動車ショーは伝統的な自動車メーカーの展示が中心になったことから、CESと比較してインパクトが弱く影が薄くなった。

デトロイト商工会議所のスティーブンス氏

 このため危機感を持った北米自動車ショーの関係者は2020年からは開催時期を冬から6月に変更することを決定、自動車ショーとしての地位の復権を目指す。来年からは屋外の出展などを増やし、BMWなどにも出展再開を呼び掛けることにしており、自動運転など最新技術も取り込んで新しい形のショーにしたいと考えている。

 デトロイト商工会議所の専務理事で自動運転協議会副会長のグレン・スティーブンス氏は「自動運転や移動サービスなど自動車産業の新しい時代に備えたオートショーに変えていかなければならない。来年からは夏に開催するので、デトロイト名物の音楽や花火のイベントも重ねることもできる。

 自動車メーカーだけでなく、自動運転、スタートアップ、移動に関係する関係者がすべて集まることができるような新しいコンセプトが必要になる」と話し、伝統的な大手自動車メーカーだけが北米オートショーをリードする時代ではなくなったと指摘する。

関連記事

新着記事

»もっと見る