矢島里佳の「暮らしを豊かにする道具」

2019年2月22日

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矢島里佳 (やじま・りか)

株式会社和える 代表取締役

1988年東京都生まれ。職人と伝統の魅力に惹かれ、19歳の頃から全国を回り始め、大学時代に日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始める。「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、大学4年時である2011年3月、株式会社和えるを創業、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2012年3月、幼少期から職人の手仕事に触れられる環境を創出すべく、 “0歳からの伝統ブランドaeru”を立ち上げ、日本全国の職人と共にオリジナル商品を生み出す。テレビ東京「ガイアの夜明け」にて特集される。日本の伝統や先人の智慧を、暮らしの中で活かしながら次世代につなぐために様々な事業を展開中。

「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いで、各地の伝統工芸の職人さんたちと一緒にオリジナル商品を生み出す矢島里佳さんが、日々の暮らしを豊かにする道具を紹介しつつ、忘れられがちな日本文化の魅力を発信していきます。

 今日は、朝からずっとアイディア出し、社内会議、社外ミーティングとつづき、息つく暇なく、みっちり予定が詰まっていた。1日中、頭がフル回転。活動しすぎて頭の回転数がなかなか落ちない……。ひとまずお風呂に入ってみたが、まだ脳内が活発に活動気味。うーん、そんな夜は、ウィスキーをストレートでほんの少しと、マッチを準備。シュッとマッチを擦って、和蝋燭を灯して部屋の電気を消す。和蝋燭の1/fゆらぎに癒されるのだ。

(写真提供:筆者) 写真を拡大

和蝋燭がもたらす心地よい安らぎ

 この和蝋燭(木蝋)と燭台は、愛媛県内子町で作られている。ふるさと納税で手にした。地域の産業を応援しつつ、自分自身が癒される返礼品を手にできるのはとても良い循環だなぁと感じながら愛用中。

 元々、内子町のあたりは大洲藩で、日本一の和蝋燭の生産地として発展していた。和蝋燭は主要な輸出商品として栄え、明治時代頃まで続いた。しかしながら、時代とともに電気や石油などへ取って代わられ、少しずつ姿を消していった。時代の流れだから仕方ない。しかし、ただ明るくするという用途では確かに電気に勝てないが、現代人の私たちの癒しの道具として、新たに和蝋燭の存在意義を見いだせると感じている。

 実は、和蝋燭の灯りには癒しの効果があり、交感神経と副交感神経のスイッチングを助けてくれるとも言われている。現代人は、ついつい交感神経優位になりがちなので、意識的に副交感神経を優位にする必要がある。和蝋燭の灯りは、そんな現代人の私たちに、安らぎを与えてくれるのだ。ところで、和蝋燭の1/fゆらぎをご存知だろうか。1/fゆらぎとは、蝋燭の灯りのゆれ、小川のせせらぎ、雨音、木目、心臓の音……。一定のようでいて、予測できない不規則なゆらぎのことを、1/fゆらぎというのだ。規則的なものと、不規則なものが和えられて調和した状態が、1/fゆらぎ。心地よく安らぎを得られると言われている。

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