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2019年3月21日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

(OlegMalyshev/Gettyimages)

 昨年カリフォルニア州が娯楽用大麻を合法化したことで、 米国は一気に大麻解禁に向けて進んでいる。来年の大統領選挙への立候補を表明したバーニー・サンダース上院議員は「若い頃何度か大麻を吸引したことがある」と認めた上で、

 「大麻は合法化すべき。あまりにも多くの人々が大麻で逮捕されたことにより前科がつき、人生を台無しにされた」と訴えている。米国では大麻を一度も経験したことがない、という人の方が少数派で、それを違法とすることの方がデメリットが大きい、という考え方だ。

 またこちらも2020年の大統領候補の1人であるニュージャージー州選出のコリー・ブッカー上院議員は、実際に大麻を米国で合法化する法案を提出し、上院での承認を目指している。ブッカー議員の法案は大麻合法化だけではなく、サンダース議員の主張するように「過去にさかのぼって大麻関連の米国人の犯罪歴を消去する」というなかなかに大胆なものだ。

 この動きは「マリファナ・ジャスティス・アクト」と呼ばれ、上院の中にもサンダース議員をはじめエリザベス・ウォーレン、カマラ・ハリス議員ら大統領候補に挙がっている民主党の賛同者がいるという。

 ブッカー議員が法案によって狙っているのは「ドラッグとの戦い」に勝利することだ。大麻を解禁することで、少なくとも大麻の違法取引は消滅し、そこから利益を得ていた犯罪グループも崩壊する。また同時に米国に根強く存在する人種問題も、ドラッグに大きく関係する。

 例えば、大麻所持などで逮捕されるアフリカ系住民の数は白人のおよそ4倍。しかし大麻使用率は人種間でほとんど差がない。つまり大麻所持が違法であることが黒人差別を助長している面もある。こうした不均衡を是正するためにも、大麻解禁は必要だとブッカー議員は主張している。

 現在の共和党政権下でこうした法案が可決される可能性は低いが、民主党の大統領候補の多くが法案を支持していることから、もし来年の選挙で民主党が勝利すれば法案は可決されるかもしれない。米国が大麻を合法化すれば、世界中に大きな影響を与えることにもなるだろう。

 すでにそれを見越し、今後の産業としての大麻業界の成長に期待する向きもある。実際カリフォルニア州ではシリコンバレーの資本が乗り出す大型大麻農場の経営も始まっている。合法化されれば需要も伸び、観光産業の一部にも組み入れられるし輸出による利益も考えられる。

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