From NY

2019年4月17日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『銀盤の軌跡』(新潮社)などの著書もある。

NYでも大人気の「Sakura」(撮影:筆者、以下同)

 日本人は、なぜこれほどまでに桜を愛でるのだろうか。

 昔から和歌にも詠われ、桜を美しいと思う心が大和民族の遺伝子に入っているのだろうか。などと思っていたら、いつの間にやらそんなことを言ってる時代ではなくなった。

 かつては、春にオランダに行ってチューリップを見るというのが世界中の観光客の憧れだった時代もあったけれど、今ではお花見の時期に合わせて、世界中から観光客が日本に押し寄せてくる。いまや日本のSakuraは世界の人々の憧れなのである。

 いつの間に、こんなに桜が世界的人気になったのだと思っていたら、ニューヨークでも気がついたらSakura Matsuri, Cherry Blossom Festivalが大盛況だ。Sakuraという言葉自体もすでに Anime やMangaと同じように、英語になりつつある。

 桜祭りといえば首都ワシントンが有名だけれど、ニューヨークも負けてはいない。

 中でもブルックリンのボタニカルガーデンで行われる桜祭りは、ニューヨークの春の一大イベントだ。その歴史も規模も、そして催し物の数とバラエティも、他を寄せ付けないニューヨークの桜祭りの王者である。今年は4月27日と28日の二日間で、東京のお花見よりもおよそ1カ月遅れだが、時期的にはおそらくもっとも華やかな八重のカンザン桜に合わせたのだろう。

意地でもお花見したいニューヨーカーたち

市内には意外にもお花見スポットは存在している

 ところがこのボタニカルガーデンの桜祭りのチケットは1枚30ドルで、しかも発売後あっと言う間に売り切れてしまった。

 ニューヨークの地元の情報誌には必ず春になると、Sakura Matsuri, Cherry blossom Festivalの特集が大きく組まれる。トレンドに敏感なニューヨーカーたちは、何が何でも春に一度はオハナミをしないと気がすまない。ではボタニカルガーデンのチケットを買いそびれたニューヨーカーたちはどこでお花見するのか。

 実はニューヨーク市内には、意外なほどお花見のスポットは存在している。リバーサイドパークにも、セントラルパークにも結構な量の桜が植わっていて、その中には1921年にワシントンに植樹されたものと同じ苗が成長したものも残っているという。いずれも桜祭りではないが、勝手に行ってピクニックをするには十分見ごたえのある桜が見られる。

 桜祭りにこだわるのなら、クイーンズにある1964年万博会場跡に作られた公園でも、ブルックリンボタニカルガーデンよりも一週間早い小規模な桜祭りがある。

 そして気がつくと何と、著者の住んでいるルーズベルトアイランドにもいつの間にやら桜祭りが催されるようになっていたのだ。

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